研究課題/領域番号 |
16K01705
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研究機関 | 青森大学 |
研究代表者 |
吉川 昌則 青森大学, 経営学部, 教授 (60305977)
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研究分担者 |
廣瀬 圭 秋田大学, 理工学研究科, 講師 (50455870)
土岐 仁 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (80134055)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アルペンスキー / 技術 / 定量的評価 / 定性的評価 / 加速度 |
研究実績の概要 |
アルペンスキー技術は,その実施環境からDLT法や地面設置型フォースプレートなどでの計測が難しい.本研究では計測範囲によって精度が変化しないハイスキルアルペンスキーヤー用ウェアラブルモーションセンサを開発した.モーションセンサは市販されているものを使用し,雪山の厳しい環境による影響に耐え,スキーヤーへの拘束を最大限回避するための取り付け位置,方法等を考慮し,適切に制御,計測情報の収集を行うシステムとした.また,滑走軌跡を計測するためにGPSレシーバを頭部に取り付け,モーションセンサと同期可能なシステムとした. アルペンスキー用雪面反力計測システムを開発した.歩行解析用に開発されている小型かつ計量な力センサを取り付け可能なアルミ製のプレートを設計,作製した.アルミプレートの形状や取り付け位置は,スキー板の性能や操作性に大きな影響を与えることから,スキーメーカーが使用している競技用プレートを参考にした.作製したアルミプレートは下部パーツと上部パーツからなり,下部パーツがスキー板に,上部パーツがビンディングシステムに取り付け可能である.上部パーツと下部パーツの間に,4個の力センサが取り付けられる. これらの開発したシステムと技術解析法の検証の研究を行った.ウェアラブルモーションセンサシステム,アルペンスキー用雪面反力計測システムとGPSレシーバを同期させて計測可能である実証実験を行った.この実証実験として,ハイスキルスキーヤーの実滑走計測を行った.実滑走計測実験は,天候等に左右されるので,常に予定通りに行えるとは限らないが,今年度の実験では天候等に恵まれた状況で行う事ができた.技術解析として,高速ターン技術として定性的に用いられている技術を用いた滑走と用いない滑走を比較した.定性的な高速ターン技術が,本システムを用いた検証によって,概ね定量的に示すことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルペンスキー用ウェアラブルモーションセンサシステム,および,アルペンスキー用雪面反力計測システムは,概ね順調に開発することができた. 技術解析法の検証の研究については,実滑走計測を行い,異なった滑走技術の違いを定量的に概ね示すことができた.得られた各情報のより詳細な解析はこれからになるが,研究初年度の実施計画としていたことは概ね実行することができた.
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施した実滑走計測時に得られた各センサから得られたデータを,今後より詳細に検証する.また,各センサを組み合わせた検証を行い,ハイスキルスキーヤーが行っている高速ターン技術の動作・要因を定量的に特定する. 滑走速度に関わる技術要因の検証と評価方法の開発を行う.必要に応じてビデオカメラを用いたDLT法を特定の範囲に限定して使用したり,タイマーを用いた実滑走計測,運動要因を特定するための実験方法に関する研究を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた人件費及び旅費が若干異なったことと,各種センサ類,実験時に使用するスキー用具等は先行研究にて使用したものを可能な範囲で使用したため.また,実験当日の天候等の状況に恵まれたため,1回の実験で今年度予定していた検証実験を行うことができたため.
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次年度使用額の使用計画 |
計測条件が厳しい環境にて実験を行うため,センサ類等に先行研究時には故障,交換が必要な事例等が生じていた.それらセンサ類の購入,実験時に使用するスキー用具等の購入,共同研究者との打ち合わせ,研究成果に応じた成果発表,実験実施に伴う人件費等に使用する.
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