研究実績の概要 |
本研究の目的は、異なる競技レベルの比較からball possessionがactivity profileに及ぼす影響について包括的に調査することであった。本研究の対象は、日本の大学サッカー選手60名であり、同チームのうち競技レベル別にファーストチームとセカンドチームに分けた。両チームともにボールポゼッショントレーニングと公式戦を11回測定し、得られたサンプル数はファーストチームで99本、セカンドチームでは101本であった。ランニング応答および心拍数として測定された身体的パフォーマンスのデータは、GPSおよび短距離無線テレメトリーを用いて収集した。ボールポゼッションとして測定された技術的パフォーマンスのデータはnotational analysisを用いて収集した。総移動距離 (first team: 12012.6 ± 282.3 m; second team: 10999.0 ± 178.7 m)と高強度走 (first team: 1238.9 ± 84.5 m; second team: 1081.6 ± 115.5 m)における移動距離においてファーストチームはセカンドチームより有意に高かった(ES range of 1.2-1.8, p<0.01for both)。平均心拍数(first team: 158.4 ± 2.2 bpm; second team: 164.4 ± 2.4 bpm)と平均%HRmax (first team: 78.5 ± 1.1 %; second team: 81.5 ± 1.7 %)はセカンドチームがファーストチームより有意に高かった(ES range of 1.4-1.6, p<0.01for both)。減速はボールポゼッションと非常に強く相関しており、効果の大きさは両チームとも非常に大きいかほぼ完璧であった。この研究の主な所見は、(1) activity profileが競技レベルで異なったこと。(2)ボールポゼッション率と減速回数に強い相関関係があったことだった。上記の研究成果をもとに2018年度4月より国際研究機関誌に論文投稿し、本年度は査読対応に追われた。
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