研究課題/領域番号 |
16K01713
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
若吉 浩二 大阪経済大学, 人間科学部, 教授 (30191729)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | スパッツ型有浮力水着 / 水中け伸び姿勢 / トレーニング活用 / 水中バランス / 浮心重心間距離 / 血中乳酸カーブテスト |
研究実績の概要 |
本研究は、スパッツ型有浮力水着着用に伴う水中け伸び姿勢時バランスおよび泳速度と血中乳酸値の関係に及ぼす効果について調査し、スパッツ型有浮力水着着用によるトレーニング活用の有効性について検討を行うことを目的とした。 被験者は大学水泳部所属男子7名であり、実験では約2Nの浮力を有するスパッツ型有浮力水着着用時と練習用水着着用時との比較を行った。水中バランスは、全身浸水での水平け伸び姿勢において最大努力呼吸に伴う換気量と浮心重心間距離の関係について測定した。血中乳酸カーブテストは200m×4本として、1~3本目は200m最大泳速度の80%、85%、90%相当、そして4本目は最大努力で泳ぐよう指示した。 中性浮力時の浮心重心間距離はスパッツ型有浮力水着:1.36±0.20㎝、練習用水着:1.56±0.17cmとなり、スパッツ型有浮力水着着用に伴い有意に短縮した。最大努力時の泳速度と血中乳酸値はスパッツ型有浮力水着:1.64±0.04m/sと16.1±3.3mmol/l 、練習用水着:1.59±0.06m/sと14.9±3.2mmol/l、となり、スパッツ型有浮力水着着用時の最大泳速度は練習用水着着用時に比べ有意な高値を示した。またスパッツ型有浮力水着着用時の血中乳酸カーブは、練習用水着と比べ血中乳酸値に対し高い泳速度を示した。 よって、スパッツ型有浮力水着着用に伴い浮心重心間距離が短縮することで低抵抗姿勢となり、エネルギー供給に対してより高速で泳ぐことが可能になったものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究方法およぶ測定方法はほぼ確立することができた。しかし、肢体欠損の被験者を数多く集めることが大変困難な状況である。このようなことから、2018年度は健常者を対象に、スパッツ型有浮力水着を着用して、通常のストリームライン姿勢の水中バランス評価、さらにはその効果について生理学的な評価を行った。さらには、スパッツ型有浮力水着の代用となるブイ(浮力帯)の開発も併せて行った。これは障がい者でも、容易に着用できる構造を検討して、2019年度に向けて準備を行った。
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今後の研究の推進方策 |
現在、有浮力水着の試作を行っている。これは肢体不自由者が着脱用意な形状・機能を有するもので、左右・前後の4箇所にポケットを取り付け有浮力パット を装着することができるように工夫されている。つまり、肢体不自由者でかつ欠損者の水中バランスを調整可能となる。 また、2017年度においても、被験者の募集に苦慮したことから、いろいろな機関を通じて研究協力を依頼する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度は被験者数が少なく人件費が予定よりも少額となったが、2019年度は消耗品を多く購入する予定である。
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