研究課題/領域番号 |
16K01714
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
二宮 浩彰 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50284782)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 都市型市民マラソン / ランニング関与 / デスティネーション・イメージ / 地域愛着 / 満足度 / 行動意図 |
研究実績の概要 |
本研究では、スポーツイベントが開催される地域(都市)のイメージと地域に対する帰属意識がスポーツツーリスト行動に及ぼす影響を実証的に解明することを目的としている。実証研究では、都市型市民マラソン参加者を対象とした大規模調査を実施し、さらに半年後にパネル調査による追跡をすることで同一サンプルの縦断的なデータを収集した。スポーツツーリストがスポーツイベント開催地に抱くデスティネーション・イメージと地域愛着の変化を分析する枠組みを設定し、スポーツツーリストの意思決定メカニズムを明らかにした。 京都マラソン2017の調査研究においては、スポーツイベントへの実践的なインプリケーションを導くため、包括的なデスティネーション・イメージ尺度を用いた。マラソン参加者を対象としてウェブ調査を実施し、2,794の有効標本を得ることができた。ランニング関与の指標として、フルマラソンの完走タイムを用いることによって参加者を分類した。ランニングの関与レベルは、マラソン大会やランニングの経験による行動的関与の違いによって反映されることが分かった。ランニング関与が、マラソン参加者のデスティネーション・イメージの知覚、地域愛着、大会満足度、行動意図に及ぼす影響については、回帰分析を用いて分析した。マラソン参加者の実証分析の結果、以下の研究成果を得た。1)スポーツイベント開催地のデスティネーション・イメージの知覚は、開催地デスティネーションの地域愛着に影響を及ぼす。2)スポーツイベント開催地のデスティネーション・イメージの知覚と、開催地デスティネーションの地域愛着の知覚は、スポーツイベントへの再参加意図に影響を与える。3)スポーツイベントの大会満足度は、スポーツイベント開催地のデスティネーション・イメージの知覚とスポーツイベントへの再参加意図に影響を与える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.第一次調査のための調査票の作成:先行研究を参考にして、スポーツイベントのイメージ、デスティネーション・イメージ、スポーツイベントのサービス品質、スポーツイベントの満足度、スポーツイベント開催地の地域愛着、次大会への参加意図、デスティネーションへの再訪意図、個人属性から構成する調査票を作成した。 2.都市型市民マラソン参加者を対象とした第一次調査の実施:奈良マラソン2017、京都マラソン2018の参加ランナーを対象として、マラソン大会後にインターネット調査を実施し、データを収集した。 3. 統計手法によるデータ分析:収集したデータについては、IBM社が提供している統計パッケージSPSS Statistics / Amos使用することによって、記述統計、因子分析、共分散構造分析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
二宮研究室では、奈良マラソン、および京都マラソンの実行委員会とランナーを対象とした調査研究の提携をしており、都市型市民マラソン参加者を母集団とした大規模調査を実施している。過去の調査実績を踏まえると、両マラソン参加者から約5,000に及ぶサンプルのデータを収集してスポーツツーリスト行動を分析することが可能である。また、両マラソンにおいて継続してランナーを対象とした調査研究を行うことになっており、研究期間内にプレテストを含めて3回にわたる調査を実施することができる。そして、調査によって得られた有効標本を活用することで、同一サンプルの縦断的なデータを収集することが可能である。 当該分野の先行研究をレビューしたところ、スポーツイベント参加者を対象としたワンショットサーベイによる単発データを分析することがほとんどである。本研究では、同一サンプルに対して半年後に調査を実施することにより、スポーツイベント開催地に対するデスティネーション・イメージと地域愛着の変化を分析する枠組みを設定する。また、スポーツデスティネーションを扱った先行研究では、スポーツツーリストの行動意図(参加するつもり/参加しないつもり)が分析されてきたが、本研究では、大規模なパネル調査を実施し、次大会へのエントリーの有無を調べることで、スポーツツーリストの意思決定による実際の行動(参加する/参加しない)を分析することを課題としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度の一年間は、在外研究でフロリダ大学に滞在していたため、研究費の執行計画に変更が生じた。2018年度には、ソフトウエアを購入するため物品費を使い、国際学会に参加するため旅費を使い、研究補助のため人件費・謝金を使う予定である。
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