本研究では、スポーツイベントが開催される地域(都市)のイメージと地域に対する帰属意識がスポーツツーリスト行動に及ぼす影響を実証的に解明することを目的としている。実証研究では、都市型市民マラソン参加者を対象とした大規模調査を実施し、さらに半年後にパネル調査による追跡をすることで同一サンプルの縦断的なデータを収集する。分析の枠組みとしては、スポーツツーリストがスポーツイベント開催地に抱くデスティネーション・イメージと地域愛着の変化を分析する枠組みを設定し、スポーツツーリストの意思決定メカニズムを明らかにする。 1.第二次調査研究のための調査票の作成 先行研究を参考にして、スポーツイベント・イメージ、デスティネーション・イメージ、スポーツイベント開催地の地域愛着、次大会へのエントリー、デスティネーションへの再訪、個人的属性から構成する調査票を作成した。 2.都市型市民マラソン参加経験者を対象とした第二次調査の実施 奈良マラソン2018、京都マラソン2019の開催前(参加申込終了時点)に、前大会参加者を対象として、縦断的なインターネット調査を実施した。 3.マラソン参加/不参加による比較分析 今大会の参加群と不参加群を比較することにより、デスティネーション・イメージとスポーツツーリスト行動に影響を及ぼす要因を分析した。 本研究では、同一サンプルに対して半年後に調査を実施することにより、スポーツイベント開催地に対するデスティネーション・イメージと地域愛着の変化を分析する枠組みを設定した。また、本研究では、大規模なパネル調査を実施し、次大会へのエントリーの有無を調べることで、スポーツツーリストの意思決定による実際の行動(参加する/参加しない)を分析することができた。
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