本研究は、長距離走レースのペース変化を想定し、一定強度の運動からの過渡運動に対して、①ペースアップ前の走速度がペースアップ後の生体応答に及ぼす影響、②ペース変化のタイミングの認知/非認知の条件差が生体応答に及ぼす影響を検討した。ペースアップ前の走速度が高い場合、ペースアップ後の酸素摂取動態は遅くなる可能性が示唆されたが、筋組織の酸素化レベルおよび筋電図の応答に影響は認められなかった。ペースアップのタイミングの認知は、本研究の走速度の範囲内であれば、呼吸循環系および組織の代謝応答に影響を及ぼさないことが示唆された。
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