研究課題/領域番号 |
16K01720
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研究機関 | 大阪国際大学短期大学部 |
研究代表者 |
小倉 幸雄 大阪国際大学短期大学部, その他部局等, 教授 (00300301)
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研究分担者 |
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
近藤 徳彦 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70215458)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 水分摂取 / 深部体温 / 運動パフォーマンス / フィールドテスト / ミドルパワー / ハイパワー |
研究実績の概要 |
本研究では夏季陸上競技練習時の脱水の程度がミドルパワー・ハイパワー発揮能力に及ぼす影響を検討するため,実際のグラウンドにおける練習中の飲水量を調整し,2種類の脱水状態(0.8%と2.0%脱水)を異なる日に設定した後に,グラウンドにおけるパフォーマンステストとして1周25 mの方向転換走を10周させた時の通過タイムについて比較検討した.練習後のグラウンドにおけるパフォーマンステストでは,ハイパワーの指標である25 mの方向転換走の1周目のタイムは,脱水条件と通常条件の間には有意な差はみられなかった.しかし,ミドルパワーの指標である25 mの方向転換走の10周目のタイムの比較では,脱水条件の方が通常条件よりも有意に遅かった.以上の結果,夏季陸上練習時において脱水がパフォーマンスに影響し,その影響の程度は発揮能力ごとに異なることが示唆された.すなわち,0.8%程度の脱水と比較し,2.0%程度の脱水はハイパワーに影響しなかったものの,ミドルパワーは低下することが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度はほぼ研究計画通り,夏季陸上競技練習時の2種類の脱水の程度がミドルパワー・ハイパワー発揮能力に及ぼす影響について検討でき,2%程度の脱水であってもミドルパワーへ影響することが示唆された.計画当初では,脱水の程度を3種類、パフォーマンステストにローパワーを入れて3種類と計画していたが,実際のフィールドテストにおける暑熱環境下では,厳しい条件であったため条件を減らした.
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今後の研究の推進方策 |
暑熱環境下における脱水の程度がパワー発揮能力に及ぼす影響について実験室にて検討する。陸上競技部学生を被験者とし,32℃環境下で15分間トレッドミル走を5~10分間の休息時間を挟み4回実施する.実験中,心拍数・直腸温を連続記録し,体重減少量を15分間の運動終了ごとに測定する.各被験者は暑熱下運動を異なる日に2回実施し,2回目と4回目の15分間運動終了時にミドルパワーまたはハイパワー発揮テストを実施する.ミドルパワーテストとして30秒間の全力ペダリング運動時の仕事量,ハイパワーテストとして7秒間の全力ペダリング運動時の仕事量をそれぞれ測定する.なお,ローパワーテストとしては,15分間トレッドミル走時の心拍数と速度との関係からPWC170を算出して検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
計画当初では,脱水の程度を3種類、パフォーマンステストにローパワーを入れて3種類と計画していたが,実際のフィールドテストにおける暑熱環境下では,被験者の安全確保を考慮すると厳しい条件であったため実施条件を減らし計測を簡略化した.そのため,物品の購入をせずに他の実験用に購入していた物品を使用した.また、それに伴って学会発表における旅費を使用できなかった.
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次年度使用額の使用計画 |
物品を新たに購入し、学会発表時の旅費として使用する.
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