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2017 年度 実施状況報告書

光と運動による生体リズムの調節メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 16K01723
研究機関北海道大学

研究代表者

山仲 勇二郎  北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (20528343)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードメラトニン / 光 / 運動
研究実績の概要

平成29年度には、6名の健常成人を対象に以下の実験を行った。実験開始に先立ち、腕時計型行動測定装置と自記式の睡眠日誌を用いて日常生活下での睡眠覚醒リズムを2週間記録した。日常生活下での被験者の平均就寝・起床時刻を算出した。被験者は以下の4つの実験に参加した。①低照度光下で唾液中メラトニン量を確認する実験、②低照度光下で運動を行う実験、③高照度光下で過ごす実験、④高照度光下で運動をおこなう実験の4つである。その結果、低照度光下での運動はメラトニンの分泌に影響しないことを確認したが、高照度光下で過ごした条件では1時間の光照射においてもメラトニン量の有意な低下は認められなかった。低照度光下での運動によりメラトニン分泌抑制が認められなかった点については、運動による交感神経活動の亢進そのものは生物時計に影響する要因ではないことを推測させる結果であった。本研究では、照明は天井からの蛍光灯により照射していたがメラトニンの光抑制を過去に検証した研究のなかには光源を一定時間注視するように指示している研究もみられており、光照射の方法によりメラトニンの抑制が認められなかった可能性が示唆された。そこで、平成30年度にむけて運動時の光照射条件を確定するため、8名の被験者を対象に高照度光を被験者の正面からあて、2分に1度10秒間光源をみるように指示する実験を行った。その結果、1時間の光照射によりメラトニン分泌量が有意に低下することが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

仮説の根幹となる高照度光照射によるメラトニンの抑制が認められず、条件検討に多くの時間をとられてしまったため。

今後の研究の推進方策

メラトニンの分泌量が抑制されることを確認した条件で運動を負荷する実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

実験条件の再検討が必要であったため、予定していた実験を見送った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 光環境と睡眠・概日リズムの基礎2017

    • 著者名/発表者名
      山仲勇二郎
    • 雑誌名

      睡眠医療

      巻: 11 ページ: 401-411

  • [雑誌論文] Recent advancing the two oscillators model of circadian system in humans2017

    • 著者名/発表者名
      Yujiro Yamanaka, Satoko Hashimoto, Sato Honma, Ken-ichi Honma
    • 雑誌名

      Biological Clocks with reference to suprachiasmatic nucleus

      巻: 0 ページ: 131-140

  • [学会発表] A novel animal model for jet-lag syndrome2017

    • 著者名/発表者名
      Yujiro Yamanaka, Sato Honma, Ken-ichi Honma
    • 学会等名
      Indian Society for Sleep Research (ISSR) Goa Sleep 2017
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 双極性障害における概日リズムの内的脱同調2017

    • 著者名/発表者名
      山仲勇二郎、北市雄士、北川寛、井上猛、久住一郎、本間さと、本間研一
    • 学会等名
      第24回日本時間生物学会学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 光環境と非光因子が睡眠・生物時計に与える影響 時間生物学からみた宇宙環境下での睡眠・生体リズム調整2017

    • 著者名/発表者名
      山仲勇二郎
    • 学会等名
      第63回日本宇宙航空環境医学学会
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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