ヒトの行動および生理機能には24時間で変動する生体リズムがあり、脳内の生物時計によって発振・制御されている。生物時計は主に高照度光によって調整されるが、高照度光と運動を組み合わせることで生体リズムを効率よく調節できることが報告されている。本研究の成果は、運動の生物時計に対する作用は光の感受性を増強させることで光による生物時計の調節を促進する可能性を示し、光を十分に得られない宇宙ステーションや極端な光環境下での生体リズムを整えるために運動が有効な手段となる可能性を示した。また、夜間に運動を行う際には光環境を考慮することが生体リズムの乱れ、その後の睡眠の質を維持するうえで重要であることを示した。
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