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2018 年度 実施状況報告書

走運動による発達神経症モデルラットの記憶消去にAMPキナーゼ経路は関与するか

研究課題

研究課題/領域番号 16K01748
研究機関中村学園大学

研究代表者

中野 裕史  中村学園大学, 教育学部, 教授 (60301678)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード学習 / 記憶 / AMPK / PGC-1
研究実績の概要

本研究では,記憶獲得後の運動による記憶過程の変化について検討する。本年度はWistar系ラットの選択交配によってモリス水迷路課題における学習・記憶能力の低い系のモデルラットの作製を7世代進めた。8~10週齢時にビデオトラッキングシステムを用いてモリス水迷路課題を1日当たり4試行,5日間実施し,各試行は4ヵ所のランドマークのいずれかよりスタートした。プラットフォーム上に静止した場合を成功試技とし,試行時間は最大60秒間とした。6日目にはプラットフォームを取り除いたプローブテストを60秒間実施し,プラットフォームが存在したエリアの滞在時間を測定した。これらの結果を基に学習・記憶能力をスコア化し,12~13週齢時に最もスコアの低い兄妹で兄妹交配を行った。交配後,雄ラットの海馬を摘出し,Western BlottingによってAMPKαとPGC-1α蛋白発現を検討した。通常のWistar系ラットについても同様に測定を行なった。
その結果,学習・記憶能力の低い系のラットは通常のWistar系ラットに比べ,モリス水迷路課題の潜時が有意に長く,学習能力の低下が認められたが,プローブテストにおいてはプラットフォームが存在したエリアの滞在時間に有意差は認められなかった。また,学習・記憶能力の低い系は通常のWistar系ラットに比べ,海馬でのAMPKαとPGC-1α蛋白発現が低値を示しておりミトコンドリア機能異常が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

ラットの生殖能力の低下が認められ,研究に使用するモデルラットを十分に得られず,走運動の実施とAMPK活性化剤の投与までに至らなかった。

今後の研究の推進方策

戻し交配を行い研究に使用するラットを確保し,走運動の実施またはAMPK活性化剤の投与によって脳のAMPK経路が活性化するかどうか検証する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
進捗状況に合わせ試薬の購入を見合わせたため。
(使用計画)
試薬を購入する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 空間学習能力低下を呈するラット海馬における PGC-1α蛋白発現2018

    • 著者名/発表者名
      中野裕史
    • 学会等名
      第73回日本体力医学会大会

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公開日: 2019-12-27  

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