研究課題/領域番号 |
16K01755
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
上澤 悦子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (10317068)
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研究分担者 |
中山 美由紀 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (70327451)
折坂 誠 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (80324143)
川内 博人 北里大学, 医学部, 講師 (90152917) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | AMH / 早産での出生 / 低出生体重児での出生 / DOHaD概念 / エピジェネティクス |
研究実績の概要 |
【目的】DOHaD概念(2004)では、胎内環境が成人後の健康問題に関連するというエピジェネティクスが注目されているが、生殖機能との関連は明らかではない。S.kallio(2011)は、早産児は正期産児にくらべ、胎内での原始卵胞の形成が少ない可能性を報告している。そこで、早産あるいは低出生児で出生した女性のAMHレベルを測定し、先行研究で測定した正期産かつ正常体重児で出生した女性(2004例)のAMHレベルと、年齢補正を加えたうえで、後方視的に比較検討した。【方法】2017年9月~2019年3月に、8か所のART施設に受療中の早産および低出生児で出生した女性、約1000名を対象とした。年齢とAMHパーセンタイル別の関連を統計学的分析およびAMH normogramsから比較分析した。所属施設の倫理審査委員会の承認受け、口頭と書面での説明を行い、書面による同意を得て実施した。【結果】有効回答数353例を対象にした。AMHレベルは、出生時体重2500g以上で3.93±0.01ng/ml、2500g未満で3.46±0.18 ng/ml、年齢別AMH normogramsでも有意差はなかった。しかし、在胎週数32週未満(n=172)の女性のAMHは2.73±0.24ng/mlと有意に低く(p<.05)、年齢別AMH normogramsでも低値であった。 【考察】低出生体重児と正常体重児で出生した女性ではAMHレベルに差がないものの、出生週数32週未満の早産かそれ以上の在胎週数とには有意差があった結果は、kallioの報告を裏付ける結果であった。【結論】在胎週数32週未満で出生した女性のAMHは有意に低く、年齢別AMH normogramsでも低いレベルを示した。在胎32週以前の早産で出生したことが、女性の卵胞発育になんらかの影響を与え卵巣予備能が低レベルとなる可能性が示唆された。
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