研究課題/領域番号 |
16K01760
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
藤田 委由 島根大学, その他部局等, 名誉教授 (70173440)
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研究分担者 |
井上 顕 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40469036)
梶谷 光弘 島根大学, 医学部, 特任教授 (60774552)
竹下 治男 島根大学, 医学部, 教授 (90292599)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 学校保健 / 長期欠席者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、島根県出雲市立第一中学校区の保育園児、幼稚園児、小学生、中学生を対象に家庭環境因子、学校環境因子、社会環境因子、生体内ストレス指標と長期欠席者との関連を縦断研究により解明することである。平成28年度は研究計画、方法に従って、①研究対象者の選定、②家庭環境因子、学校環境因子、社会環境因子に関する疫学資料の収集、③ストレス評価指標の収集を実施した。 1. 対象者は平成20年から平成28年まで島根県出雲市立第一中学校区に在籍する保育園児、幼稚園児、小学生、中学生(平成28年度は合計2480名)である。2. 家庭環境因子、学校環境因子、生活環境因子に関する疫学資料は自記式質問票「生活に関するアンケート調査」により収集した。質問項目は性、学年、学校名、家族との関係、友人との関係、情報機器利用時間(平日のテレビ視聴、ビデオゲ-ムの使用、携帯電話の使用、パーソナルコンピュータ-の使用)である。小学生高学年、中学生は本人が記入した。担任の先生が質問票を配布し、その場で回答及び回収を行った。幼稚園児、保育園児、小学生低学年は保護者が記入した。疫学資料の信頼性を高めるために、各学校において共通の質問票と共通の質問マニュアルを使用し、標準化された自記式質問票調査を実施した。3. 1年間の欠席日数は出雲市立第一中学校区すこやか委員会の協力により収集した。欠席日数が30 日以上のものを長期欠席者とした。4. 生体内ストレス指標は、出雲市教育委員会の協力により平成24年から平成28年まで小学4年生、中学1年生(平成28年度は小学4年生174名、中学1年生149名)の血清コルチゾル値を収集した。5. 対象者は出雲市立第一中学校区すこやか委員会が作成したID 番号により追跡する。6.本研究は、島根大学医学部「医の倫理委員会」に提出し、承認を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. 対象者の選定および疫学資料の収集 平成28年度の島根県出雲一中校区の幼稚園児、保育園児、小学生、中学生の在籍児童数は2541名で、調査票の回収数は2480名である。従って回収率は92.6%(2480/2541)と高率である。 2. 本研究は、島根大学医学部「医の倫理委員会」の承認を得た。 3. 本研究で収集した、家庭環境因子、学校環境因子、生活環境因子に関する疫学資料、ストレス評価指標、欠席日数をデータベース化した。
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今後の研究の推進方策 |
1. 平成29年度、平成30年度は、研究計画、研究方法に従って、①対象者の選定、②家庭環境因子、学校環境因子、社会環境因子に関する疫学資料の収集、③ストレス評価指標、④欠席日数の資料の収集を実施する。 2. 本研究で収集した家庭環境因子、学校環境因子、社会環境因子に関する疫学資料、ストレス評価指標、欠席日数に関する資料ををデータベース化する。 3. 平成20 年度から平成30 年度まで11 年間にわたり収集した出雲一中校区の幼稚園児、保育園児、小学生、中学生の疫学資料を解析し、家庭環境因子、学校環境因子、社会環境因子(情報機器利用)とストレス評価指標、長期欠席者との関連を縦断研究により明らかにする。ストレス指標、長期欠席者と家庭環境因子、学校環境因子、社会環境因子(情報機器利用)との関連を重回帰分析、ロジスティク回帰分析、比例ハザードモデルにより検討する。 4.長期欠席者の早期発見、管理体制の確立に関する提言 本研究の成績に基づき、長期欠席者の早期発見と管理体制の確立に関する提言を行う。出雲市立第一中学校区の学校保健の向上に寄与すると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の井上顕の分担金は\100,000、梶谷光弘の分担金は\50,000である。両者合計すると\150,000となる。この中、井上顕の未執行分が\71,220、梶谷光弘の未執行分が\11,706で、合計\82,926である。本研究における井上顕の役割分担は疫学調査、考察のまとめ、梶谷光弘の役割分担は長期欠席者の早期発見、管理体制の確立に関する提言となっている。平成29年度以降に研究活動の中心があるため、平成28年度の分担金を全額執行できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、繰り越された\82,926について、研究分担者の井上顕は疫学調査、考察のまとめ、梶谷光弘は長期欠席者の早期発見、管理体制の確立に関する提言を実施する。
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