研究課題/領域番号 |
16K01765
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高橋 康幸 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (40404925)
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研究分担者 |
杉野 雅人 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 准教授 (10249229)
五十嵐 博 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 准教授 (60433166)
米持 圭太 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 助教 (90759606)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 歯科診療X線撮影 / 水晶体 / 歯科用CBCT |
研究実績の概要 |
2012年にInternational Commission on Radiological Protection(ICRP)において水晶体のしきい線量が引き下げられた。歯科診療X線撮影では照射部位と水晶体の距離が近いことから被ばく線量が懸念される。しかし、これまでその線量を測定・評価した報告はほとんどない。今回、歯科領域撮影の水晶体(及び甲状腺)の入射表面線量における平均吸収線量を頭部ファントムにより、蛍光ガラス線量計で測定し評価した。また、本検討ではデンタル撮影(前歯、臼歯、上顎撮影、下顎撮影)、オルソパントモグラフィ、頭部規格正面(P→A)、頭部規格側面(L→R)、医科用CT(64列ヘリカル、320列ボリュームスキャン)、歯科用CT(歯科撮影用コーンビームCT)について比較した。線量は頭部規格正面(PA)が最も少なく、医科用CTが最も高値を示した。なお、医科用CT(ヘリカル):11.5~12.2 mGy、(ボリューム)1.5~1.7 mGyに対し、歯科用CBCT:前歯0.1~0.2 mGy、臼歯0.1~0.3 mGyであった。ICRP(Pub.118)による水晶体のしきい線量は500 mGyであり、歯科領域X線撮影による放射線白内障のリスクは低いと考えられる。特に、歯科CBCTは撮影部位により撮影部位の線量分布が変化するが、水晶体線量に影響しないと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
放射線感受性が高い臓器として水晶体に着目し、歯科診療X線撮影(デンタル撮影、オルソパントモグラフィ、頭部規格正面、医科用CT、歯科用CT)における被ばく線量を測定のうえ低減対策等について論文が掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
医療被ばく線量の測定および低減方法について、新しい線量計「Dシャトル」を利用し継時的に被ばく線量を測定し解析中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
Positron Emission Tomography(PET)検査における被ばく線量を測定・解析の予定している。
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