研究課題/領域番号 |
16K01765
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高橋 康幸 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (40404925)
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研究分担者 |
杉野 雅人 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 准教授 (10249229)
五十嵐 博 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 准教授 (60433166)
米持 圭太 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 助教 (90759606)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 被ばく線量 / 放射線管理 / 陽電子断層撮影装置 |
研究実績の概要 |
核医学検査に伴う作業従事者の被ばく線量(平均値)について、半導体(Si)個人被ばく線量計により測定した(本学研究科倫理委員会承認番号2017-014)。この線量計は従来の線量計と異なり時間別積算線量が測定可能である。単一光子放射撮影装置において、検査別(患者1人あたり)では頭部領域が脳血流SPECT(I-123 IMP 222MBq)で0.5μSv/h、骨(Tc-99m MDP 740MBq)が0.7μSu/h、心筋血流SPECT(負荷時:200MBq)、心筋血流SPECT(安静時:700MBq)が1.5μSv/hを示した。また、陽電子断層撮影装置において、職種別では医師が4.8μSv/h、看護師が3.1μSv/h、薬剤師が2.9μSv/h及び診療放射線技師は6.5μSv/hであり、サイクロトロンオペレータでは定期点検作業時に13.4μSv/hを計測した。しかし、作業回数などを考慮すると線量限度までは達しない計算である。さらに、I-131内用療法(5,550MBq)においても調査し、1患者あたり3.5μSv/h(運搬1.9Sv/h(3,700MBqでは1.7Sv/h)、測定0.3μSv/h、撮影1.3μSv/h)であった。なお、被ばく線量を軽減させるため、遮へい、作業時間などを考慮した対策前後の測定値の比較により、被ばく線量を1/3にまで減少させることができ、それぞれの効果が確認されたため、可能であれば鉛衝立を補強するなどの推進が望まれる。特に、陽電子断層撮影装置では操作室における現状の観察窓では68%の遮蔽効果であることから、早急に鉛衝立の追加が必要である。 本研究の線量計による時間別積算線量を作業記録と照らし合わせることは、被ばく要因の分析に有用であることが示唆された。それぞれの成果については投稿中である。
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