研究課題/領域番号 |
16K01768
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
樋口 倫子 明海大学, 外国語学部, 准教授 (70276179)
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研究分担者 |
橋本 佐由理 筑波大学, 体育系, 准教授 (10334054)
杉浦 雄策 明海大学, 不動産学部, 教授 (50245156)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自己マスタリー / well-being / ストレスマネジメント / 大学生 |
研究実績の概要 |
本研究では、これまでに開発してきたレジリエンス促進web.based Psychoeducationを基盤として、自己マスタリー促進プログラムを開発し、大学生の良好なキャリア発達(人格成長)を通した心身のWell-beingの促進をめざす。その手段として、生活に密着したモバイルインターネットディバイス、アプリケーションを活用した第三世代の教育法を用いる。本研究の具体的な目的な、①アクティブな第三世代の教育法を応用した自己マスタリー促進プログラムを運用し、②研究ボランティアを得て、作成したプログラムの効果(肯定的な自己イメージへの変容、キャリア発達、心理的well beingの向上)についての評価を行うことである。 本研究では、①初年度に、モバイル端末アプリケーションプログラムのコンテンツをDVD化し、その試作版での予備的介入によって、抑うつの軽減とwell-being促進効果を検討すること、②次年度以降に、web上で配信を行い、研究ボランティアの協力を得て、抑うつの軽減とwell-being促進効果、さらにはその持続効果について検討することである。 まず、初年度の実績として、自己マスタリー促進のプログラムを完成し、研究ボランティアを得て、これを一斉に実施して、その効果を検討した。介入群86名と、コントロール群54名を対象として、介入開始直前、終了3週間後の2時点で評価した。介入群では、プログラム後に,自己マスタリー得点、自尊感情得点、キャリア成熟得点、主観的幸福感のすべてに有意な改善が認められた。一方、コントロール群では、自尊感情得点にのみ有意な得点の上昇を認めた。 さらに、自己マスタリーの程度を評価するツールがみあたらないため、自己マスタリー尺度の開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
28年度は、介入プログラム開発のための準備とモバイル端末対応プログラムの開発が主な課題であった。 1)介入のための環境はほぼ整えた。しかし、プログラムのアプリ化にかかる費用が不足しており、安価で作成可能なプログラムへ調整中である。 2)自己マスタリー促進プログラムの試作版(web.based)の運用による予備介入が計画されていた。上記の理由で、試作版の開発がやや遅れているため、対面一斉実施およびセルフワークによる自己マスタリー促進プログラムの予備介入を実施し、その効果について分析した。 3)自己マスタリーの能力を評価する尺度を開発した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、予備介入で確認したプログラムを、研究ボランティアを対象に、実際にモバイル端末での使用を求め、肯定的自己イメージ、自己マスタリー、主観的幸福感の指標で評価することが、課題である。
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次年度使用額が生じた理由 |
プログラムのアプリケーション化のための開発が遅れが生じ、その支払いが、次年度になるため。
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次年度使用額の使用計画 |
プログラムのアプリケーションの開発進め、予算はアプリの開発やweb.配信の教材の作成に使用する。開発後は、アプリの使用による介入実験を速やかに実施し、その効果分析のための人件費、開発した教材の修正、成果発表に予算を使用する予定である。
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