楽観主義者の心身の健康の保持・増進のメカニズムを心身の反応性と回復性の観点から検討した。ゲーム課題において,心拍数の回復性は,悲観性が高いほど遅れ,楽観性が高いほど速やかになるという可能性が示唆された。スポーツ場面の比較的軽症のけがについて受傷から復帰までの心理的変容と楽観性の関連を検討した。コントロール可能性が高いほどけがを早く受容し,楽観的な展望をもって治療やリハビリテーションに臨み,復帰に至る過程が示唆された。長期的課題の遂行に際して,伸び悩み経験や停滞に着目した。楽観性が高いほど,ストレッサーに対しても粘り強く,克服すべく課題に取り組み続けることが示唆された。
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