研究課題/領域番号 |
16K01771
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
渡邊 裕之 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (40348602)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 腰椎分離症 / 腰痛 / 伝導音検査法 / 第二次性徴期 / 予防 |
研究実績の概要 |
2017年度は本研究の生体への適応を検討するため、実験に先立ち倫理委員会への申請を行った。本法の生体への適応は早稲田大学で実施されている中学生サッカークラブチームの協力を得るため、早稲田大学の研究倫理委員会への申請ならびに早稲田大学での研究倫理審査結果を踏まえて北里大学研究倫理審査委員会への申請を行った。審査結果はいずれの審査委員会においても承認を得ることができた。 2017年度において一部生体に適応した結果を記す。対象は某サッカークラブチームに所属する男子サッカー選手25名であった。メディカルチェックの際に第5腰椎のMRI像を撮影し、関節突起間部あるいは椎弓部根部に高輝度像の認められた15名(高輝度群)ならびに所見の認められなかった10名(コントロール群)の2群に分類した。棘突起叩打にはActivator(Activator Methods International LTD)を用い、Activator本体中央に1軸加速度センサー(AS-50B:共和電業)を取り付けた。解析方法はActivator本体側から受波した加速度信号とL4棘突起上から受波した加速度信号のそれぞれの平均パワー周波数について2群間の比較を行った。Activatorに取り付けた加速度センサーの結果は高輝度群が847.47±51.98Hz、コントロール群が789.12±81.09を示し、高輝度群が有意に高い平均パワー周波数となった。L4棘突起に取り付けた加速度センサーの結果は高輝度群が364.66±55.56Hz、コントロール群が343.99±77.6を示し、両群間において有意差を認めなかった。振動信号の解析はL5棘突起に直接叩打し得た反発振動において有意差が認められ、分離症診断のための補助ツールとしての可能性が考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在の状況として本法の生体への適応が232例終了した。しかしながらMRI撮影はメディカルチェックの際に本人から拒否される例が散見された。今後MRI撮影の実施できた例と照合して最終的な解析対象を確認する。現状において172例が確保できているため、サンプル数としては十分と考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
人工骨を用いた骨叩打による振動信号の解析には平均パワー周波数、最大ピーク周波数、最小ピーク周波数、高周波帯域に対する低周波帯域比などを算出するための解析アルゴリズムを作成した。今後は生体から得られた振動信号に対して各アルゴリズムを適応し、腰椎分離症の診断に対して有効性を検討する。さらに必要に応じて新たな解析プログラムも検討中である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由)一昨年度、新たに開発した骨叩打機器(アクティベータ)の安全性確立が翌年に繰り越されたため、機器の生体への適応についても翌年に繰り越されたため。なお、生体への適応については、少数ではあるが2017年度から開始することができた。 (使用計画)2018年度は本法の生体への適応について、2017年度に予定していたサンプル数を加えて実施予定である。本研究の公表についても予定どおり実施する。
|