研究課題/領域番号 |
16K01772
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
清水 安夫 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (00306515)
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研究分担者 |
元永 拓郎 帝京大学, 文学部, 准教授 (50212262)
早川 東作 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (60272639) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ワークエンゲージメント / ストレス / ストレッサー / コーピング / セルフエフィカシー / 教師のメンタルヘルス |
研究実績の概要 |
本年度は,前年度までにサンプリングしたデータにもとづき,本研究課題において開発を行った,学校教師版の「ワークエンゲージメント測定指標」及び「自己成長感測定指標」に加え,教師版の「ストレッサー尺度」「ストレス反応尺度」「コーピング尺度」「セルフエフィカシー尺度」を活用した横断型の構造モデル(教員組織のエンパワメントモデル)の開発を行った。モデルの有効性が実証されたことから,これらの測定指標を使用して,A県内の公立高等学校B校への介入研究を実施した(1校への準実験的な介入)。介入研究のプロセスとしては,A県立B高校1に勤務している教師を対象としたメンタルヘルス改善のための心理的介入(スクールカウンセリングを専門とする臨床心理士による週1回の教師を対象とした介入)を行い,1年間の介入期間(12ヶ月間)の前後比較(5月と3月)を実施した。また,同時期にA県内の別の公立高校C校では,統制群としてのデータサンプリングを行い(C校に勤務の教師には一切の外部による介入サポートはなし),その介入効果による比較検討を行ったところ,心理的な介入を実施したB高校において,上記における各測定指標において,教師のメンタルヘルスの改善の効果が検証された。なお,現在,本研究において開発された各測定指標を元に,教師の組織エンパワメントによるメンタルヘルスモデルが完成しており,2019年度内において専門研究雑誌ににて公表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の中核を占めている測定指標の標準化に時間がかかっている。標準化の条件として,一般的には専門誌への投稿論文の掲載をもって標準化と見なされてるが,現在,論文の査読及び修正に時間がかかっており,まだ,掲載されていない状況である。また,複数の測定指標を作成していることから,これらの測定指標を学会誌に順次投稿して掲載されてから,次の段階に進むことになる。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の研究期間の延長中に,現在,投稿している研究論文(論文審査中)を仕上げることにより,掲載が決定すれば,次の論文の投稿が可能(測定指標の標準化を持って,次の論文の投稿が可能となるため)となるため,第一弾の論文が完成後,順次,登校掲載を行うことにより,他の研究者も使用可能な測定指標を社会還元し,また,介入のために有効な学校版ラインケアのための研究成果を公表する。なお,各測定指標を元に開発を行った横断的な構造方程式モデルは完成していることから,雑誌掲載終了後に公開用のHPを作成することになる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度(2019年)の研究期間延長中に,不足分のデータリサーチを行い,より精度の高い教師のメンタルヘルスおよび教員組織におけるエンパワメント測定指標,ワークエンゲイジメント測定指標を完成させ,横断モデルを完成させる。さらに,HPによる測定画面を公開し,広く個人および組織における自己評価を可能とするサイトを作成する。
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