研究課題/領域番号 |
16K01773
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
吉澤 裕世 東京女子医科大学, 看護学部, 助教 (70758721)
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研究分担者 |
飯島 勝矢 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 教授 (00334384)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フレイル予防 / 地域分析 / 社会活動 |
研究実績の概要 |
生活圏域別の社会的・物理的環境と介護リスク(フレイルの程度)の関係を検討するために、以下の4つについて検討した1.生活圏域別のフレイルの割合の比較2.生活圏域別の運動・文化・社会活動の比較3.GISを用いて生活圏域別の公共交通網、商店、福祉施設の比較4.フレイルと社会活動の種類及び活動数との関係 その結果①生活圏域によってフレイルの差が見られ、同地域であっても前期・後期高齢者のフレイルの割合に差がある②生活圏域によって運動・文化・社会活動の不参加者の割合が差があり、フレイルの割合と活動の不参加の割合に同じ傾向が見られ、フレイルの割合が多い地域は不参加者の割合も多い傾向が見られた③公共交通網、商店、福祉施設へのアクセスとフレイルとの関連は見られなかった④運動・文化・社会活動を全くしていない人は、すべて行っている人と比べてフレイル16.41倍、プレフレイル3.35倍の可能性が示唆された。活動単独の影響ではなく、活動を重ね合わせることによる好影響が見られた ⑤マルチレベル分析の結果、地域での活動が増えるとその地域でのフレイルのリスクが年齢の影響を取り除いても減ることが示された 以上の結果から、同一の市であってもフレイルや活動に地域差が見られ、地域活動を盛んにすることによって地域全体及び個人のフレイルを少なくなる可能性が考えられる。 市全体に同じ事業を行うのではなく、各地域に即した支援を行う必要性が考えられる。 次年度からは、地域の即した事業、地域での活動を活性化の知見を得るために地域活動の状況についてインタビュー調査を行い、フレイルの要因分析を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の当初予定は、地域特性の精査及び科学的エビデンスの融合の上で検証としており、今年度は地域特性についての検証は終了しているため、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
地域の介護予防事業の支援体制の基礎資料および地域の即した事業、地域での活動を活性化の知見を得るために地域活動の状況についてインタビュー調査を行い、フレイルの要因分析を実施する予定である。また、関連部署連携による支援組織の強化については、引き続き年三回を目標に実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.GISの分析を行う際に分析ソフトの購入を検討しておりましたが、年度内の予算では購入できない額であることがわかったため、購入せずに補助者による作業に変更したため、当初予算よりも減額となった。 2.学会への参加を当初2回予定していたが、他の業務と重なり参加することができなかったため、その旅費等を使用しなかったため、減額となった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、昨年度と同様に補助者による作業を継続し、より深い分析に時間をかけるとともに、結果が少しずつ見えてきた部分に関して、国内の学会発表及び海外への論文投稿を行い、成果を発信することを追加し、すすめていきたいと考えている。
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