研究課題/領域番号 |
16K01774
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
勝又 聖夫 日本医科大学, 医学部, 助教 (80169482)
|
研究分担者 |
川田 智之 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00224791)
稲垣 弘文 日本医科大学, 医学部, 講師 (50213111)
平田 紀美子 日本医科大学, 医学部, その他 (70445815)
武藤 三千代 日本医科大学, 医学部, 准教授 (80174457)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | アンチ・ドーピング / ニコチン / タバコ製品 / 健康教育 |
研究実績の概要 |
今年度は、運動やスポーツを通してタバコ製品の使用の影響を再認識させること及び、ニコチンがドーピング防止規程における監視対象物質に掲載されていることを周知するために、被験者を募集して体力テストを行い、その前後での唾液中の神経伝達物質に関わる代謝物(Homovanillic acid(HVA)、3-methoxy-4-hydroxyphenylethylene glycol(MHPG)、Vanillylmandelic acid(VMA))及びCortisolの測定を行い、喫煙者と非喫煙者でのリリースの変化をみた。対象者は、20歳代の男性である。27名(喫煙者8名、非喫煙者19名)に協力していただいた。平均年齢は21.4±1.3歳である。体力テストは、文部科学省で作成した「新体力テスト」で、テスト項目は、握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、20mシャトルラン及び立ち幅跳びの6項目である。体力テスト前後で唾液を採取し、代謝物の測定はHPLC法(高速液体クロマトグラフィー)で行なった。また、心拍センサの装着を行い、体力テスト前後での心拍変動などの解析も行った。さらに、生活習慣などの調査も行った。唾液測定において、煩雑な前処理操作を必要とせず唾液中CA代謝物の同時測定がHPLCできた。この集団(27名)の体力テスト結果は、同世代の全国平均とほぼ同じであった。喫煙者は27名中8名(29.6%)で、JT調査(2017)の22.8%より高かった。体力テスト後、喫煙者、非喫煙者共にMHPG及びCortisolが有意(p<0.05)に上昇した。特にMHPGは喫煙者において非喫煙者と比べて有意に体力テスト後に高値を示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
被験者募集において、協力者が少なくまた、同意した後に撤回した被験者も複数名いたので、体力テストへの参加者は、想定していた人数の三分の一弱であった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度に引き続き、体力テストを行う。 また、唾液中のカテコラミン代謝物の変動はもとより、心拍センサから得られた心拍変動の解析、体力テストの総合評価との関わりなどの解析を通して、喫煙のリスクを社会発信する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 体力テストの被験者を募集していたが、参加協力者が少なく、また同意を得たのちに複数人の同意撤回者がいたために、想定人数よりも被験者が少なかった。 (使用計画) 今年度も引き続き被験者の募集を行う。また、社会発信するための経費として計上する。
|