研究課題/領域番号 |
16K01777
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研究機関 | 金城大学 |
研究代表者 |
越納 美和 金城大学, 看護学部, 助手 (80512483)
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研究分担者 |
木林 勉 金城大学, 保健医療学部, 教授 (30512397)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ヘルスプロモーション / 地域住民 / 観光 / 健康増進プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は地域に住む人が、学生と共に、その地の素晴らしさや魅力を持つ観光資源を掘り起こし、それに健康増進メニューを取り入れた「観光資源活用型健康増進プログラム」を開発することを目的としている。2016年度は白山市の提案する観光情報(うらら白山感得プログラム)を元に、地域住民と学生がグループディスカションを行い、実現可能性の高いプログラムを選定した。選定された案の一つであるレジャー・スポーツの観光プログラム(森林編)について調査を実施した。地域住民と大学生が森林公園内にて散策しながら、全10問で構成されるH市の観光クイズに答えるネイチャーウォークラリーをプログラムとした。設定時間は自由散策も含め120分とし、その期間における各対象者の歩行距離、歩行数、消費カロリー、脂肪燃焼量、身体活動量、運動所要時間、唾液アミラーゼなどのデータを取得した。調査チームは学生と地域住民2人で構成し、地域住民は6歳以上53歳未満の各世代にまたがるように配慮した。 結果は、すべての対象者がネイチャーウォークラリーを時間内に完遂することができ、観光資源活用型健康増進プログラムの実施前後の比較においては唾液アミラーゼ値の平均値の低下が認められた。森林効果に期待した本プログラムは、日常から距離を置き、解放的な精神状態の中で作業を達成する。その環境と行為が、ストレス軽減の一助となり、地域住民のメンタルヘルスの維持増進につながる可能性があると考える。今回の考察を肯定するために、従来の健康増進事業との比較調査に向け準備中である。また、観光資源活用型健康増進プログラムの効果が一過性で短期効果とならないために、観光の魅力や地域特性を活かしたヘルスツーリズムを動機づけとした行動変容を検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた学生と地域住民がグループディスカッションを通して、共同で観光プログラムを作成するということは順調に完成している。観光プログラムの一部を実施することができている。また、インタビュー調査や質問紙調査のための準備ができている。このことから計画通りに進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおり、研究フィールドは白山市とし、白山市の地域特性として健康長寿資源、自然文化資源を活かしたモデル開発をおこなう。地域特性を活かしたヘルスツーリズムのモデルプログラム開発に向けた検討および課題抽出をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査において、歩行距離、歩行数、消費カロリー、脂肪燃焼量、身体活動量、運動所要時間を測定するために調査協力者の人数分の万歩計・心拍計・活動計・パルスオキシメーターの購入を予定していたが、本学既存の機器や共同研究者の私物を使用した。また、対象者を少人数ずつ調査したため、調査に使用する機器の個数を予定個数より少ない購入した。そのため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度も引き続き介入研究が実施されるため研究遂行のための調査協力者の謝金や交通費、研究補助人件費、測定機器のチップなどの消耗品を計上する。また、調査に使用する活動計の故障や個数が不足しているため追加購入に充てる。従来の活動計と合わせて地域住民が普段から使用可能な活動計なども活用して調査を継続する。
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