本研究の目的は、地域に住む高齢者が、学生と共に、その地の素晴らしさや魅力を持つ観光資源を掘り起こし、それに健康増進メニューを取り入れた「観光資源活用型健康増進プログラム」を作成するものである。 従来の地域で展開されている健康増進事業に本プログラムを加えることで、健康に影響を与える価値観の変化や特徴を検証する。パフォー マンステストによる身体機能やアンケート、インタビューによる行動変容から評価する。 具体的な研究方法は 白山市の提案する観光情報(うらら白山感得プログラム)を元に、レジャー・スポーツ、自然、歴史・文化のテーマ別に観光プログラムコースを学生と地域高齢者で構成するチームで体験調査を実施する。データは、平地・坂道距離、標高差、歩行距離、歩行数、消費カロリー、脂肪燃焼量、身体活動量、運動所要時間などとする。その結果を踏まえて、観光資源活用型健康増進プログラムのメニューを考案する。結果としてプログラムを作成するまでの住民と学生とのディスカションは地域の観光資源の魅力を継承する場となっていたことが明らかになった。さらに、観光資源活用型健康増進プログラムの継続は、「楽しさ」や「ワクワク感」を引き起こし、それが行動変容に繋がることが明らかになっていた。 しかし、観光資源の多くは屋外プログラムが多く、天候に左右されることが多い。また、調査地域でもある市は日本有数の豪雪地帯なため、1年間を通してのプログラムの実施が難しく、なんらかのインセンティブなしには主体的なプログラムを継続することは難しいことが課題として抽出された。
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