研究課題/領域番号 |
16K01783
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
高取 克彦 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (90454800)
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研究分担者 |
山崎 尚美 (平木尚美) 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10425093) [辞退]
松本 大輔 畿央大学, 健康科学部, 助教 (20511554)
文 鐘聲 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (50460960)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 介護予防 / 地域包括ケア / 住民リーダー |
研究実績の概要 |
今年度は「自助」の客観的効果検証のため、介護予防の担い手である住民リーダー(介護予防リーダー)の活動開始から半年後および1年後の健康度について評価を行った。評価項目は運動機能、体組成検査および介護予防の担い手としての意識調査である。運動機能評価はTimed Up and Go、30秒間立ち上がりテスト、椅座位体前屈距離を測定し、体組成検査では体脂肪率、骨格筋指数(SMI)を算出した。意識調査では介護予防リーダーとしての活動意欲、自身の健康度の変化、使命感などを聴取した。また「互助」の効果検証については介護予防リーダーが開催する介護予防教室参加者への評価を教室前後で実施し、その変化を解析した。運動機能評価は上記と同様3項目とした。 「自助」の客観的効果として、介護予防リーダーの身体機能項目については活動後6ヶ月で脚力の指標である30秒間立ち上がりテストが有意に改善しており(p<0.05)、その他の2項目についても改善傾向が認められた。体脂肪率、SMIには有意な変化は認められなかった。意識調査の結果では介護予防リーダーとしての半年間の活動により自身の健康度が改善されたと自覚する者や地域の担い手としての使命感を感じている者の割合が多かった。一方で活動の継続に対する自信の項目では継続の自身の無さを有する者も一定の割合で認められた。 「互助」の客観的効果に関しては、介護予防リーダー主催の教室参加者において2ヶ月間の教室前後で全ての運動機能評価項目で有意な改善が認められた(p<0.05)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域住民による介護予防リーダーとしての活動をフォローし、介護予防の担い手としての活動が自身の健康度に与える影響を「自助」と位置付け、活動開始時から6ヶ月、一年後の評価を完了し、「互助」の客観的効果の検証も介護予防教室参加者への教室前後評価を実施できたことから、研究計画としては概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は介護予防リーダーの活動が地域のソーシャルキャピタル強度に与える影響を調査するため、介護予防リーダーが活動している介入地域と対照地域との比較を行う予定である。具体的には地域サロンなどにおいて介護予防リーダーの関わっているサロンおよび未介入サロンそれぞれの参加者に個人レベルのソーシャルキャピタル強度についてアンケート調査を行い比較検討を行う。ソーシャルキャピタル強度の調査には内閣府作成の調査用紙を基に本研究独自に作成した質問紙票を用いる予定である。また介護予防リーダーの活動支援を実施しつつ今後も身体機能評価、意識調査および介護予防リーダーが介入する教室参加者の身体機能変化に関する調査も引き続き実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
介護予防リーダー活動の効果を検証するアウトカムの一つであるソーシャルキャピタル強度に関する住民調査の時期が変更となり,この調査に関わる消耗品や地図データにて解析結果を分析するマッピングソフトの購入をH30年度にて計画している。また介護予防リーダー活動のサポートに必要な消耗品類についても今年度に引き続いて購入予定である。
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