研究課題/領域番号 |
16K01788
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
足立 由美 金沢大学, 保健管理センター, 准教授 (30447677)
|
研究分担者 |
吉川 弘明 金沢大学, 保健管理センター, 教授 (10272981)
|
研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
|
キーワード | 心身の健康 / カウンセリング / 脈波 |
研究実績の概要 |
大学において発達障害の特性のある学生が増加したことは、学生相談・カウンセリングに質的な変化をもたらしたと言える。学生相談活動や、カウンセリングの効果について評価する研究が増えているが、利用者の満足度を質問するという方法が多く、バーバルに表現できない学生もいると考えられる。申請者は、何らかの悩みや問題を抱えたクライエントはどういう状態にあり、カウンセリングでどう変化していくのかをノンバーバルに心拍変動のスペクトル解析で分析してみたいと考えた。本研究では、1回45分のカウンセリング中のクライエントとカウンセラーの脈派を同時に測定し、心拍変動スペクトル解析によってそのハーモニーが調和する方向に変化していくかどうかを分析し、質問紙で得られた気分の変化、満足度との一致を確認することを目的とする。 平成29年度は、医学倫理委員会の審査・承認を受け、1日目に被験者学生の安静時の脈波の測定を行い、2日目に実験用に雇用したカウンセラーが被験者学生と行ったカウンセリング時の脈波の同時測定を行うというデザインで実験を実施した。カウンセリングの前後に不安検査(新版 STAI 状態ー特性不安検査)と気分プロフィール検査(POMS2)を実施し、データ処理を進めているところである。途中センサーの故障や、同時測定時の設定に解析ソフトの限界があるなど問題が生じたが、解決できたため、現在までに42人分のデータを収集した。平成30年度前半もデータ収集を継続する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験用カウンセラーの選定や被験者学生の募集、脈波のテスト測定など、データ収集を始めるまでに時間がかかったが、データ収集を始めてからは順調にデータ数を増やしている。途中センサーの故障や、同時測定時の設定に問題が生じたが、解決できたため、現在までに42人分のデータを収集している。質問紙で得られた気分の変化、満足度もデータ処理を進めているところである。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでに収集したデータは、カウンセリングを受けたことのない学生のものが多い。研究責任者が過去にカウンセリングを担当した学生にも被験者として声をかける予定である。収集した脈波のデータは30~45分の長いデータであるため、適切にデータクリーニングを行う。クライエントとカウンセラーのデータに変化があるところを一部切り取って分析をすることも予定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由) データ収集を次年度も続けるため、被験者の謝金や成果発表のための旅費を次年度に繰り越すことになった。 (使用計画) 被験者の謝金に使用する。データ収集が終了したら、データ分析のための研究打ち合わせを複数回行うため、旅費と助言者への謝金に使用する。解析終了後は、成果発表のための旅費に使用する。データ保存のための物品費も必要である。
|