研究課題/領域番号 |
16K01793
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
西村 治彦 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (40218201)
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研究分担者 |
宮内 義明 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (70410511)
水野 由子 (松本由子) 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (80331693)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ヘルスケア情報科学 / データヘルス / 医療福祉 / データサイエンス / 特定健康診査 / メタボリック症候群 / 情報工学 |
研究実績の概要 |
本年度においては,問診の質問群データから主成分分析により生活習慣に関する因子(特徴)を抽出する前年の取組みで得られた検討結果と知見に基づき,特定健診時の検査と生活習慣因子の両項目群を適切な形で包含するベイジアンネットワークのモデリングを行った.ベイジアンネットワークとは,複数の確率変数の間の定性的な依存関係をグラフ構造によって表し,個々の変数の間の定量的な関係を条件付確率で表すベイズ定理に立脚した確率モデルである.ベイジアンネットワークとそれに基づく分析は,もともと現実の問題解決のために考案され発展した手法であるので,不確定性を含む知識の構成,及びそれに基づくリスク評価・判断が求められる課題での応用に適している. 具体的には男女別に,まず検査項目ごとにベイジアンネットワークを構成し,各検査項目を良い状態,悪い状態に設定した場合における各生活習慣因子の変化を捉え,両者の比較を通して腹囲・BMI,空腹時血糖・HbA1c,中性脂肪・HDL コレステロール,拡張期・収縮期血圧の各検査項目に関連の深い生活習慣因子を抽出・評価した.これによって,生活習慣の変化とメタボ予備軍リスクの変化の関係性や特徴が分析できた.さらに発展形として,特定保健指導の階層レベルを含む統合型のベイジアンネットワークを構成し,これにより積極的支援,動機づけ支援,情報提供,及び保健指導対象外の各レベルに関するリスクと検査項目・生活習慣因子項目の関係性を抽出し評価を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的の達成に向けて,本年度予定されていた計画内容がほぼ遂行できたため.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に従い,次年度はこれまでに得られた成果と知見に基づき,更に特定健診ビッグデータ対応ベイジアンネットワークによるヘルスサポートシステムの構築とその評価に取り組む.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度予定していたデータ処理・アプリ開発を次年度に回したため、作業補助者への人件費等が次年度使用となった。
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