研究課題/領域番号 |
16K01799
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
竹内 武昭 東邦大学, 医学部, 准教授 (60453700)
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研究分担者 |
野村 恭子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40365987)
中尾 睦宏 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (80282614)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 非定型うつ病 |
研究実績の概要 |
非定型うつは過食や過眠といった通常のうつとは異なった症状を有し、生活習慣との関連が指摘されている。今回我々は高齢者を対象として、非定型うつと食事の関連について検討した。 方法:対象は東京都某区の65歳から84歳までの高齢者804人(男340人、女464人、平均年齢74.1歳,標準偏差6.56)。基本属性として身長、体重、血圧、コレステロール、アルブミン、クレアチニン、CK、HbA1c、CRP、喫煙、飲酒、運動について測定した。うつはThe Mini-International Neuropsychiatric Interview (MINI)により判定。非定型うつはMINIでうつと判定された群でDSM-5の診断基準を満たす者とした。食事調査は1日の頻度、外食、内容(魚、肉、卵、牛乳、豆、野菜、海藻、じゃがいも、果物、油の多い食事)について行った。うつなし群、定型うつ群、非定型うつ群の3群で食事との関連を多重ロジスティック回帰分析により検討した。 結果:777人がうつなし、27人がうつと判定され、その内9人が非定型うつであった。基本属性の比較では体重、BMI、HbA1c、非飲酒歴がうつ群で有意に高く(p<0.05)。喫煙歴はうつ群で高い傾向が認められた(p=0.07)。食習慣とうつの関係では、じゃがいも摂取習慣があるもので定型うつが少なく(OR 0.54 95%CI 0.30-0.95)、果物摂取習慣があるものが非定型うつ群で少なかった(OR 0.37 95%CI 0.21-0.66)。これらの関係は年齢・性別及び基本属性で調整後も有意であった。 考察:高齢者のうつは体重、BMI、HbA1cが高く、特定の食事摂取習慣(定型うつはじゃがいも、非定型うつは果物)と予防的な関連があった。うつ病は食生活との関連があり、生活習慣病的な捉え方により対応策が見いだされる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査対象が十分確保でき、必要なデータが揃った。そのため現在は論文投稿に向けて詳細な解析と先行論文の読み込みを行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度8月に国際学会(ソウル)での発表と国際学会誌への投稿を考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)論文作成及び投稿費用や国際学会などが2018年に集中してあるため、当該年度に予定していた国内・国際学会での費用が次年度使用額となった。
(使用計画)国内外の学会発表と論文作成・投稿の諸経費として使用する予定。
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