研究課題/領域番号 |
16K01805
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
赤澤 淳子 福山大学, 人間文化学部, 教授 (90291880)
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研究分担者 |
井ノ崎 敦子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(総合支援), 講師 (40570099)
下村 淳子 愛知学院大学, 心身科学部, 准教授 (60512647)
上野 淳子 四天王寺大学, 人文社会学部, 准教授 (90460930)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | デートDV予防・介入教育プログラム / アクティブラーニング / 高等学校 / 養護教諭 |
研究実績の概要 |
2016年度は,研究代表者らが居住する地域の高校の養護教諭にアンケート調査を実施し,現在高校で行われている性教育や導入されているデートDV予防・防止教育の実施状況等について調査し,性教育の現状や必要性について検討した。調査時期は2016年9月~10月で,調査対象は大阪府・広島県・徳島県・愛知県 の1府3県に所在する高等学校499校に勤務する養護教諭であった。具体的な調査項目は①養護教諭の年齢と勤務年数,②デートDVの相談経験の有無,③保健教育で扱う内容,④「デートDV」指導を行う上での課題,などである。回答は150名から得られ,回収率は30.1%であった。分析の結果,高等学校の保健室では8割以上の学校でデートDV被害の相談を受けていた。「相談経験あり群」は「相談経験なし群」よりも「異性との交際・デートDV」のテーマを多く扱っていた。デートDV指導上の課題として「『デートDV』指導に使える教材がない」が37.3%で最も多く,次いで「被害状況などのデートDVに関する情報がない」32.0%「自分自身にデートDVに関する知識がない」が26.7%だった。以上の結果から,生徒からの相談を受けた学校では予防教育を行っているものの,デートDVの予防教育には,教材だけでなく知識や情報等が不足していることが捉えられ,デートDV予防・防止教育プログラムの必要性が改めて確認された。 また,2016年度は国内外の先行研究およびこれまで実施されてきたデートDV予防・防止教育プログラム内容を分析し,効果検証項目やプログラム内容についての検討を行い,2017年度実施予定の調査項目の選定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2016年度は国内外の先行研究およびこれまで実施されてきたデートDV予防・介入教育プログラム内容を分析し,効果検証項目やプログラム内容についての検討を行い,調査項目の選定を行い,高校生を対象としたアンケート調査を実施する予定であった。しかし,項目の選定に時間がかかり,調査の実施が遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度は,デートDV予防・防止教育プログラムの作成のために大学生および高校生を対象としたデートDVの被害・加害経験,ジェンダー観,暴力観等に関する調査を実施する。調査対象は,研究協力に同意した大阪府・広島県・徳島県・愛知県の1府3県に所在する大学及び高等学校に在籍する大学生と高校生である。デートDV被害・加害経験の実態,経験と関連している要因,相談窓口等について分析し,そこから得られた結果と先行研究分析から得られた知見を統合しデートDV予防・介入教育防止プログラム内容を検討する。その際,2016年度に実施した養護教諭を対象とした調査において,プログラム開発への参加意思を示した養護教諭(5~10名)にも参加してもらい,本研究の研究者らと共同しながらアクティブラーニングを導入したデートDV予防・介入教育プログラムの開発を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年度は先行研究およびこれまで実施されてきたデートDV予防・介入教育プログラム内容を分析し,効果検証項目やプログラム内容についての検討を行い,調査項目の選定を行い高校生を対象としたアンケート調査を実施する予定であった。しかし,項目の選定に時間がかかり,調査の実施が遅れてしまったことにより,調査票の送付・返送にともなう予算が残った。
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次年度使用額の使用計画 |
現在,大学生および高校生を対象としたデートDVの被害・加害経験,ジェンダー観,暴力観等に関する調査の準備を進めており,2017年度には調査を実施する予定であるため,調査票の送付・返送に使用する。
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