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2017 年度 実施状況報告書

若齢期の食・運動が成熟期の骨格筋・褐色・白色脂肪の代謝関連遺伝子に及ぼす長期効果

研究課題

研究課題/領域番号 16K01831
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

木村 真規  慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 講師 (40383666)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードレガシー効果 / 骨格筋 / 褐色脂肪 / 白色脂肪 / 運動 / 肥満 / 環境エンリッチメント
研究実績の概要

過去に肥満を経験した者では,運動療法・食事療法に対して抵抗性を示す例が多い.我々は若齢期の肥満・運動経験が白色脂肪組織中の遺伝子発現を長期に渡って変化させ体内の糖・脂質代謝に影響を及ぼす可能性を報告したが,特に熱産生系遺伝子に大きな変化が認められたことから,体内の主要な熱産生臓器である骨格筋と褐色脂肪組織中の遺伝子発現においても長期的効果が生じている可能性が示唆された.
そこで本研究では,肥満・運動経験により長期に亘って糖・脂質代謝に影響する骨格筋・褐色脂肪組織のレガシー(遺産)因子を解明することを目的として,1) 若齢期の肥満・運動経験によって長期間変化する遺伝子の半網羅的およびエピジェネティクス的解析,2) 健康・長寿を導く若齢期・成熟期の生活環境(食・運動・豊かな環境)の探索,の2 点の検討を実施する.
平成28年度は,検討①「若齢期の肥満・運動経験によって発現が変化する因子のマイクロアレイ法による半網羅的解析」と,検討②「健康・長寿を達成する若齢期・成熟期・老齢期の生活環境の探索」を計画通り開始した.平成29年度は,検討①のマウスを高脂肪食摂餌環境,回転ケージを用いた自発走運動環境で予定通り飼育し,サンプリングを行った.また検討②のマウスを遊具などが設置された社会的に豊かな環境で飼育を行った.
平成30年度は,骨格筋および褐色・白色脂肪組織に発現する遺伝子の半網羅的解析を実施して候補遺伝子を選定し,エピゲノム解析,Realtime-PCR 法およびWestern-Blot 法による定量的確認を行って,レガシー効果の候補因子を同定する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度は,検討①「若齢期の肥満・運動経験によって発現が変化する因子のマイクロアレイ法による半網羅的解析」と,検討②「健康・長寿を達成する若齢期・成熟期・老齢期の生活環境の探索」を計画通り開始した.平成29年度は,検討①のマウスを高脂肪食摂餌環境,回転ケージを用いた自発走運動環境で予定通り飼育し,サンプリングを行った.また検討②のマウスを遊具などが設置された社会的に豊かな環境で飼育を行った.
検討②の豊かな環境での飼育では,一部,予想と反した行動が観察された.このことから現在,これらの行動の原因について追及を行っているが,研究全体としては概ね順調に進展していると思われる.

今後の研究の推進方策

今後,それぞれの環境で飼育を行ったマウスから得られた骨格筋および褐色・白色脂肪組織に発現する遺伝子の半網羅的解析を実施する.その後,候補遺伝子を選定し,エピゲノム解析,Realtime-PCR 法およびWestern-Blot 法による定量的確認を行って,レガシー効果の候補因子を同定する予定である.

次年度使用額が生じた理由

理由: 当初よりサンプルの測定は平成28~30年度にかけて実施する予定であり,測定の順序はそれまでに得られたサンプル・データの内容や国内外の研究成果,他の業務の状況などによって調整を行っている.平成28年度および29年度は比較的低価格の試薬を用いた測定が多く次年度使用額が生じた.

使用計画: 平成30年度以降にこれまでに出来なかった解析や測定に必要な試薬を購入して残りの研究課題を遂行する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Effects of Environmental Enrichment on Physical Activity and Body Temperature in Mice2018

    • 著者名/発表者名
      Masaki KIMURA, Risako ISHII, Natsumi HIRANO, Ryoei UCHIDA, Yoshimasa SAITO, Hidetsugu SAITO.
    • 学会等名
      23th European College of Sport Science
    • 国際学会
  • [学会発表] 環境エンリッチメントがマウスの活動量および体温変化に及ぼす影響2017

    • 著者名/発表者名
      木村真規, 石井里沙子, 平野菜摘, 内田諒英, 齋藤義正, 齋藤英胤
    • 学会等名
      第72回 日本体力医学会大会

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公開日: 2018-12-17  

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