研究課題/領域番号 |
16K01882
|
研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
引原 有輝 千葉工業大学, 創造工学部, 准教授 (10455420)
|
研究分担者 |
松崎 元 千葉工業大学, 創造工学部, 教授 (10348360)
金田 晃一 千葉工業大学, 先進工学部, 准教授 (10534589)
渡邊 將司 茨城大学, 教育学部, 准教授 (80435213)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 街区公園 / 公園遊具 / 児童 / 生理的負荷 / 筋活動量 / 酸素摂取量 / 心拍数 |
研究実績の概要 |
街区公園に設置してある遊具には使用方法や注意事項が提示されているケースはあるが,その遊具を使用した際の生理的負荷については明らかにされていない.各遊具の特性として,発達が期待できる身体能力や,負担度(運動強度),難易度(使用する身体的部位)などの新たな情報を提示することができれば,利用者だけでなく保護者における街区公園での外遊びへの関心が高まる可能性がある.そこで本研究では,子どもの外遊びの促進をねらいとする街区公園設計や遊具設計に関する有益な基礎情報の収集を目的として,児童の遊具使用時における筋活動量ならびにエネルギー消費量の測定を行った. 被験者は,実験遂行が可能で健常な小学校低学年男子5名(年齢8~10歳)を対象とした.主な測定項目は、筋活動量、酸素摂取量、心拍数とし、筋電計測用の表面電極および心拍計をそれぞれ装着した。さらに、携帯型呼吸代謝計測装置ならびにその専用マスクを装着した。その後、5分間の座位安静状態をとらせ,安定した最後の1分間の安静時代謝量を測定した。アスレチック遊具6種目,運動遊び2種目の計8つの運動課題に対し、1種目あたりの測定時間は3分間とし、種目間の休憩は3分間とした。 本実験において測定を行った8種目の筋活動量を総合型(均一型),上肢型,下肢型に分類したところ,総合型が3課題、上肢型が3課題、下肢型が2課題であった。筋活動量の視点からは,使用する遊具の種類によって各部位の筋が活動する様相に大きな相違のあることが明らかとなった.子どもの持久力の視点からは,150拍/分を超えた課題が3つあり、筋活動量からのみでは捉えきれない全身運動としての有効な負荷であることが明らかとなった. アスレチック遊具を使用した遊びには,豊富な種類の動きとそれに伴う運動強度が含まれていることから公園遊具を設置する方針の検討も重要であると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度3月に、異なる街区公園環境下における児童の身体行動(遊戯行動)を観察する予定であったが、天候不順等により延期せざるを得なくなったため、現在、実施時期を検討している。
|
今後の研究の推進方策 |
対象者ならびに対象公園の選定は終えており、現在はスケジュール調整段階である。今後の予定として、平成30年度6月中に異なる街区公園環境下における児童の身体行動(遊戯行動)を比較し、街区公園環境と行動特性との関連について検討する予定である。天候不順等により実験日の変更を余儀なくされた場合は、熱中症対策等も踏まえ、10月中の実施へ見送ることとする。実験の結果は、3月に実施される日本発育発達学会にて発表する予定である。また、実験の結果と照らし合わせながら、街区公園環境の在り方を提案すると共に、子ども運動外遊びを促進する仕掛け(運動あそびプログラム)等の提案を検討し、街区公園の新たな付加価値を創造していきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初、平成29年度3月中旬に実施予定であった実験を天候不順のため延期した。そのため、被験者への謝礼金ならびに測定補助業務に係る人件費が未使用となった。平成30年度では、6月ないし10月に実験を実施する予定で実験計画を進めている。それに伴い、予定どおり被験者への謝金および測定補助業務に係る人件費として支出する。また、5月開催のこども環境学会と3月開催の日本発育発達学会に参加する予定にしており、その旅費として支出する。
|