研究課題/領域番号 |
16K01889
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研究機関 | 仁愛大学 |
研究代表者 |
森 俊之 仁愛大学, 人間学部, 教授 (00301078)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ストレス / 自己効力感 / 保育者 |
研究実績の概要 |
保育者をはじめとする対人援助職はストレスが多く精神的健康度に影響を及ぼすと考えられるが、その一方で自分がどれだけ被援助者の役にたっているかについて振り返ることも多く、その際に自分ができていると思えるか、自分ができていないと思うかは、その精神的健康度に大きく影響すると考えられる。そこで、保育者をはじめとする対人援助職の自己効力感が、そのストレスや精神的健康度にどのような影響を及ぼすかを質問紙調査とインタビュー調査をもとに明らかにした。調査の対象については保育者を中心に分析することを目的としたが、あわせて学校の教員や障害者施設の介護職員などの他の対人援助職についても調査をし、職種間の結果を比較することで保育者の特徴を考察した。調査の結果、保育者のストレスは、他の対人援助職と比べると、職場の物的環境によるストレスは小さいものの、職場内での対人関係によるストレスが高いという保育者特有の特徴があることが示された。仕事のコントロール度も、他の対人援助職に比べて、保育者は最も低く、このことも保育者のストレスの一つの特徴といえる。また、自己効力感と精神的健康度の関係性についても、保育者の結果は教員や介護職員の結果とは異なることが示された。すなわち、教員や介護職員は自己効力感が高いものほど精神的健康度が高いという結果であったが、保育者については逆に、自己効力感が高いもののほうが精神的健康堂が低いという結果が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
質問紙調査等によるデータ収集はやや進んだものの、生理的指標に関するデータ収集等は分析できるほどに進んでいない。その理由は、昨年度と同様、研究者自身の業務上の時間配分の問題で、研究活動以外の大学運営業務に大きく時間を取られ、研究活動に十分な時間をとることができなかったことにある。質問紙調査については、うまく研究協力者との協力関係がとれたことで進んだこともあるため、研究協力者との協力関係をうまくとっていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の1年延長を認めていただいたので、研究協力者の協力を得ることで、少しでもデータ収集を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査協力者と時間を調整したうえで、データ測定を進める予定であったが、研究者が別の業務に時間をとられ研究時間が十分に確保できず、調査協力者との時間調整がうまくできなかったため、本格的なデータ測定ができていない。研究協力者との協力関係をうまく調整しながら、データ測定をすすめられるようにして、未実施分も含めて、効率よくデータ収集ができるようにしていきたい。
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