研究課題
本研究は、学校における健康相談活動を支援するシステム構築に必要となる基礎的事項のうち、特にコミュニケーションに着目して研究を遂行している。本年度は、前年度までの成果および研究の継続性を考慮し、後述する三つの分野を設定した。我々は、これらを学校における健康相談活動支援システムに寄与させるべく研究活動を実施してきた。まず、「コミュニケーションロボット導入が健康相談活動支援に及ぼす影響」については、研究期間全体にわたり、保健室にコミュニケーションロボットを設置している。このことから、コミュニケーション要素についてのVisual Analog Scale(以下「VAS」と称する)による主観評価を測定し、後述する「VASを応用した主観評価視覚化解析手法」により、コミュニケーション要素の特徴を表現することが可能になっている。また、「コミュニケーション要素の主観評価についての少量の回答数に対する効果的な視覚化と特徴抽出」について、コミュニケーション要素の主観評価測定へのVAS応用に着目し、視覚化と特徴抽出が可能な手法を開発・提案してきている(開発・提案した手法:基本統計量・単変量散布図と箱ひげ図を組み合わせた描画による主観評価値の分布の明示・階層的/非階層的クラスタリング分析といった手法の組み合わせ)。そこで、本手法を生徒のインターネット依存傾向測定尺度に応用し、それらの特徴抽出が可能であることを確認してきている。更に、「1/fゆらぎ音の聴取における情動を制御する要素の特定」については、1/fゆらぎ音を提示することで、健康相談活動支援における対象者の情動を安定化し、情動の制御が可能となる示唆を得ることができている。以上の成果により、我々が既に開発し、提案してきている健康相談活動支援システムに対し、上記のようなテーマに沿ったツールが有益であるものと考えるに至った。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)
Journal of the Institute of Industrial Applications Engineers
巻: 6(2) ページ: 86-91
10.12792/jiiae.6.86