研究実績の概要 |
平成30年度は,継続した保育現場への体力・運動能力の測定と評価支援の3年目の支援を実施した.具体的には,愛知県と岐阜県内の保育園,こども園,幼稚園23園が支援に参加した.支援園は前年度より6園増加した.これらの支援により保育現場と研究機関との間で1,381名分の測定値を共有することができた.3年間の支援で共有できた合計3,031名分(複数回測定参加者を含む)の測定値を利用して,2019年度以後に利用可能な評価基準値を作成する計画である.また,3年間の支援終了後(平成31年2月)に支援園の保育者97名を対象に総括のアンケートを実施した.調査結果の分析は完了していないが,継続した体力・運動能力の測定と評価支援の長所や短所が明らかになり,保育現場における体力・運動能力測定実施の普及促進サイクルの構築に有益な資料が得られる見込みである. 研究成果としては,前年度までの2年間の保育現場における体力・運動能力の測定と評価支援の過程と課題を示した論文1編を公表し,支援過程における支援園の園児の体力・運動能力の変化や評価資料作成の試みなどについて学会大会で4編ポスター発表した. 主な知見として,継続した支援の過程において支援を受けた園の紹介により新たな支援参加園数が増える傾向にあることや支援の中では測定用具・器具の貸し出しと評価作業の補助が不可欠な支援であることなどが明らかになった.また,体力・運動能力の要素によって効果が期待できる要素とそうでない要素があるものの,継続した支援が支援園の園児の体力・運動能力の向上または維持に比較的高い割合で貢献していることが示唆された.
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