研究課題/領域番号 |
16K01907
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研究機関 | 公益財団法人未来工学研究所 |
研究代表者 |
野崎 祐子 公益財団法人未来工学研究所, 研究センター, 研究員 (60452611)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | bully / bullied / Life-satisfation / Meta analysis |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、子どものいじめの今日的特徴について、①メタ・アナリシスにより明らかにし、②それがどのような構造を持ち、何に規定されているのか、国内外のデータを用いた検証することにある。本年度ではまず①について、日本における子供のいじめが持つ特殊性、あるいは普遍性を特定する目的で、意欲的な取り組みをしている台湾、イギリスにおいて短期の在外研究を実施した。台湾では大学生ならびに大学卒業生を対象に実施した大学におけるハラスメント調査(台湾国立大学)の調査票設計のうち、いじめ経験についての項目を追加するなど、部分的に参加した。また、国立清華大学で台湾のいじめ研究を行う研究者ならびにサーベイの新しいシステムを開発した専門家と協議し、いじめ対策プログラムについての情報提供を受けた。イギリスではマンチェスター大学にてイギリスの児童生徒の健康(メンタルヘルスを含む)データを用いて、子供のいじめとLife-satisfactionに関する実証論文を執筆した。この論文は現在ジャーナルに投稿中である。 ②については、マンチェスター大学にて毎週のように開催されるCMI seminar series(School of Social Sciences), Health Economics Seminar Series 等のセミナーに参加して最新の研究や手法の動向をアップデートすると同時に、膨大な資料・蔵書を誇る大学図書館や、ほぼ全てを網羅するE-ジャーナルへのアクセスを通じてメタ・アナリシスに用いる先行研究のサーチ、整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
台湾ならびにイギリスの個票を用いたいじめに関する論文2本のうち、台湾に関するものはデータ提供を受けたタイミングが予想より遅れ3月となったため、年度内に論文として完成することができなかった。また、イギリスの個票を用いた論文は査読に時間を要しているため、掲載には至っていない。また、メタ・アナリシスについては、イギリスで得たデータの分析を優先させたこと、在外研究での資料・文献の整理に時間がかかっていることなどにより、論文執筆が新年度に持ち越された。
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今後の研究の推進方策 |
前年度より持ち越したイギリスならびに台湾データを用いた実証論文の完成と年度内の国際ヤーナル投稿(掲載)を目指す。イギリスのデータを用いた論文に関しては、新年度4月に国際学会にて報告済みだが、台湾のデータを用いた分析については、国立清華大学等で得た情報や日本との比較を踏まえた論文として完成させ、台湾での学会・ワークショップで報告する予定である。先行研究や資料の整理に時間がかかっているメタ・アナリシス論文は、今秋の秋に学研究会で報告後完成させ、来年1月の国際学会で議論する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年度中に投稿していた子どもの問題行動に関する論文の掲載を優先させたため、当初予定していた海外文献サーチやメタ・アナリシスによる検証については次年度に繰り越した。 最終年度となる次年度は、年度内のジャーナル掲載を目標に、学会報告ならびに英語論文の執筆に集中する予定である。
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