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2018 年度 実績報告書

生合成仮説に立脚した海洋天然物の合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K01916
研究機関高知大学

研究代表者

市川 善康  高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (60193439)

研究分担者 細川 誠二郎  早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (10307712)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード生合成 / 天然物合成 / 海洋天然物 / Ugi反応 / Passerini反応 / イソニトリルテルペン
研究実績の概要

カルボンを出発原料として,FehrrとFurstner のルートを用いてクベボールを合成した。研究計画で提案した,生合成仮説に立脚したクベボールのRitter反応を検討したが,目的とする生成物を得ることはできなかった。研究の途上で,東大農学部の渡邉教授が,我々と同様の中間体を経由してexiguamideを合成していることを知った。渡邉教授に問い合わせたところ,「Ritter反応を検討したが,目的とする生成物を得ることができなかった。ルートを変更してシクロプロパン環をアジドイオンで開環した経路を採用した」ことを伺った。このため,Ritter反応経路を断念して,渡邉教授のルートを参考にして合成を進めることにした。この段階で,早稲田大学の細川先生に研究分担者として参画を願い,協同で研究をすすめた。シクロプロパン環をアジドイオンで開環して,立体選択的に窒素原子を導入した。生成したケトスルホンをエノールエーテルとして,パラジウム触媒をもちいたカップリング反応でメチル基を導入した。最後に脱スルホニル化とアジドをイソニトリルに変換した。そして,Ugi反応を用いたイグジグリンの合成に成功した。現在,収率の向上と論文投稿のためのデーターを収集している。
研究の途上で,海洋天然物ハリコナジンHに着目した。この海洋天然物がイソニトリルを用いる反応として知られているPasserini反応を用いた生合成経路由来の代謝産物である仮説を提案した。仮説の妥当性を検証するために,メントールから誘導したテルペンイソシアニドとホルムアルデヒドとのPasserini反応を2回繰り返すことによって,α-オキシマロン酸に,ふたつの等価なテルペンが結合したハリコナジンHの中心骨格の合成に成功して,仮説の妥当性を明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 17.THE DAWN, EVOLUTION AND PERSONAL REMINISCENCES IN STUDIES OF GLYCOSYL ISOCYANATES AND ISOCYANIDES2018

    • 著者名/発表者名
      Ichikawa, Y.
    • 雑誌名

      Heterocycles

      巻: 96 ページ: 1691-1728

    • DOI

      10.3987/REV-18-892

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bioinspired Synthesis of the Central Core of Halichonadin H: The Passerini Reaction in a Hypothetical Biosynthesis of Marine Natural Products2018

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyasu Ichikawa,Toshiba Yamasaki, Keisuke Nakanishi, Yutaro Utagawa, Seijiro Hosokawa,Toshiya Masuda
    • 雑誌名

      Synthesis

      巻: 5 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1055/s-0037-1610867

    • 査読あり
  • [学会発表] 転位反応を活用した天然物の合成2019

    • 著者名/発表者名
      市川 善康、森本 裕詞、山﨑 季樹
    • 学会等名
      日本農芸化学会2019年度大会
  • [学会発表] イグジグリンの合成研究2019

    • 著者名/発表者名
      中西啓介,前田充俊,佐藤誠也,宇田川裕多郎,細川誠二郎,市川 善康
    • 学会等名
      日本化学会第99春季年会

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公開日: 2019-12-27  

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