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2019 年度 実績報告書

細胞内シグナルの多次元情報を獲得するマルチカラーバイオセンサー開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K01922
研究機関東京工業大学

研究代表者

北口 哲也  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (60432374)

研究分担者 坪井 貴司  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80415231)
上田 宏  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (60232758)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードグルコース / 蛍光タンパク質
研究実績の概要

緑色輝度変化型のグルコース可視化蛍光センサーを開発した。グルコースはエネルギー源として、生物個体の活動や恒常性の維持に重要な役割を果たしている。したがって、エネルギー代謝における、複数分子間の相互作用や階層的機能相関を解析するために、マルチカラーイメージングに適した単色型センサーの開発が待ち望まれていた。前年度までに開発したcGMP、cAMP、ATPセンサーと同様の方法で蛍光タンパク質とグルコース結合ドメイン間のリンカーの長さ調節とランダムアミノ酸変異導入を行うことでグルコースにより蛍光強度が7倍程度に上昇するセンサーを獲得することに成功した。さらに、グルコースの結合能に関与するアミノ酸残基への変異導入により、EC50が50 uM、600 uM、4000 uMの3種類の緑色蛍光センサーを獲得することにも成功し、それぞれGlifon50、Glifon600、Glifon4000と名付けた。これらのセンサーの励起スペクトルのピークは503 nm、蛍光スペクトルのピークは523 nmであった。それぞれのセンサーをHeLa細胞に導入したところ、グルコース刺激により蛍光輝度の上昇が観察された。この上昇は、Glifon50、Glifon600、Glifon4000の順で小さくなっていることから、それぞれのセンサーの親和性を反映してリスポンスしていると考えられた。したがって、これら3つのセンサーを使い分けることで、生細胞内での幅広いグルコース濃度の検出が可能である。マルチカラーイメージングにより、単一細胞内でグルコースと他分子との同時可視化すれば、エネルギー代謝における複数分子間の相互作用や階層的機能相関の解析に貢献すると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Green Fluorescent Protein-Based Glucose Indicators Report Glucose Dynamics in Living Cells2019

    • 著者名/発表者名
      Mita Marie、Ito Motoki、Harada Kazuki、Sugawara Izumi、Ueda Hiroshi、Tsuboi Takashi、Kitaguchi Tetsuya
    • 雑誌名

      Analytical Chemistry

      巻: 91 ページ: 4821~4830

    • DOI

      10.1021/acs.analchem.9b00447

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 生細胞内のグルコース動態を検出する遺伝子コード型緑色蛍光センサーの創出2019

    • 著者名/発表者名
      三田真理恵、伊藤幹、原田一貴、菅原和、上田宏、坪井貴司、北口哲也
    • 学会等名
      2019年度日本生化学会関東支部例会
  • [学会発表] 緑色蛍光グルコースセンサーが検出する人工甘味料による膵β細胞のグルコース恒常性攪乱2019

    • 著者名/発表者名
      三田真理恵、伊藤幹、原田一貴、菅原和、永田怜、芦田翼、上田宏、坪井貴司、北口哲也
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] 蛍光タンパク質を用いた緑色蛍光輝度変化型乳酸センサーの開発2019

    • 著者名/発表者名
      千原貴美、三田真理恵、菅原和、相木彩希、早坂優希、原田一貴、上田宏、北口哲也、坪井貴司
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] 生細胞イメージングを目指した遺伝子コード型ジベレリンプローブの開発2019

    • 著者名/発表者名
      相原寛史、Yanyan Hou、上田宏、伊藤寿朗、北口哲
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会年会

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公開日: 2021-01-27  

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