パーキンソン病やアルツハイマー病、ハンチントン病、筋委縮性軸索硬化症(ALS)などの疾患は、脳あるいは脊髄における特定の神経細胞群が徐々に死ぬことで、運動・知覚などの脳の高次機能に異常をきたす。現在のところこれらの疾患に対する根本的治療は存在しない。このような神経変性疾患に対し、特定の低分子化合物により脳・脊髄内に存在する神経幹細胞の増殖を促して新しく神経細胞を産生し、新生した神経細胞に失われた脳の高次機能を代替させることができれば、新たな治療法へと繋がると期待される。また神経新生の低下は精神発達疾患においても示唆されており、本研究による低分子化合物シーズの開発は適用拡大が見込まれる。
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