HDACはがんや神経変性疾患などの病態において高発現していることが知られており、薬剤の分子標的として注目されている。2006年にHDAC阻害剤が皮膚T細胞リンパ腫の治療薬として承認されて以降、数多くの阻害剤が開発され、研究が進められている。したがって、生細胞におけるHDACの活性を知ることは、その生理機能の理解だけでなく、薬剤開発においても非常に重要である。今回、細胞核内のHDAC活性を検出できたことで、環境変化における細胞内シグナルの変調を調べることや、疾患に対するHDAC阻害剤の細胞を用いた評価系に展開することが期待できる。
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