研究課題
基盤研究(C)
社会性行動の異常を伴う人の発達障害であるウィリアムス・ビュレーン症候群のマウスモデルを用いて、時々刻々と変化する外界の状況の中で社会性刺激の読み取りとそれに基づいて行動を決定する過程に関与する脳領域に、前頭前野や視床を含むネットワークが関与していて、そのネットワークとそれを調節するオキシトシンやバゾプレシンを介した神経調節系の異常が、このマウスの示す社会性行動の異常につながる可能性を示した。
神経科学
ウィリアムス・ビューレン症候群は染色体のある領域の欠損で起こる過剰な社会性行動を特徴とする疾患で、自閉症の対極をなす症状を示すものとして注目されて来た。過剰な社会性行動を含む様々な社会性行動の異常は自閉症をはじめ様々な精神疾患に伴って見られる行動表現型であるが、その異常に前頭前野や視床を含む脳神経回路やその調節系であるオキシトシンやバゾプレシンの発達異常が関与している可能性が示唆された。