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2021 年度 実績報告書

眠りの進化論:霊長類における睡眠文化行動の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K01980
研究機関京都大学

研究代表者

重田 眞義  京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 研究員・名誉教授 (80215962)

研究分担者 座馬 耕一郎  長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (50450234)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2022-03-31
キーワードチンパンジー / 睡眠集団 / 睡眠時間 / ヒト / タンザニア
研究実績の概要

野生チンパンジーの睡眠時の集団構成について社会的分析を行った。タンザニア、マハレ山塊国立公園において2019年度に収集した、3日間の事例について、日中に作られる集団構成の変化が夜間の集団構成とどのように関連するか質的な分析を行った。
事例1では、1頭の大人メスが、計614分の観察中に、アカンボウを除く計27頭と離合集散を繰り返すことで、3-18頭からなる9個のメンバー構成の異なる小集団を作った。小集団の持続時間は1-449分で、449分間続いた小集団は、子2頭と作る計3頭であり、睡眠場所で確認した集団もこの構成だった。事例2では、1頭の大人メスが、計605分の観察時間中に、2-12頭からなる計23個の小集団を作り、持続時間は1-99分だった。99分間続いた小集団は、子と、交尾相手のオスと作る計3頭の小集団で、夜間にこの大人メスと大人オスは同じ木にベッドを作成した。事例3では、1頭の大人メスが、計432分の観察時間中に、4-15頭からなる計28個の小集団を作った。小集団の持続時間は2-70分であり、もっとも長く続いた70分の小集団は、大人メスが樹上にベッドを作成し昼寝をしていた時間帯に作られた小集団だった。この日の18時には、母、弟、大人メス1頭、大人オス3頭とともに計7頭の小集団を作ったが、昼寝の時点でつくられた小集団とは異なる構成だった。事例1、2からは、日中に特定の個体と長時間の小集団をつくった場合には、それが夜間にも続く可能性が示唆された。また事例3からは、昼寝の時間帯を含む小集団もまた、比較的長時間続く安定した小集団となる可能性が示唆された。
ヒトに関する睡眠行動の新たなデータ収集は新型コロナ感染症のため実施できなかったが、これまでの資料の分析と文献による調査を実施した。ポスター発表、一般雑誌への寄稿などを通して研究成果の社会還元を積極的におこなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 離合集散が織りなす集団の動態:ヒトとチンパンジーの社会にみる概日性多相集団2022

    • 著者名/発表者名
      座馬耕一郎
    • 雑誌名

      河合香吏編『関わる・認める』

      巻: 5 ページ: 237-267

  • [学会発表] 「人類進化ベッド」のデザインとベッド使用時の寝姿勢2021

    • 著者名/発表者名
      重田眞義・座馬耕一郎・相原進
    • 学会等名
      2021年度生涯学第2回領域会議ワークショップポスターセッション

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公開日: 2022-12-28  

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