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2017 年度 実施状況報告書

経済改革下のミャンマーにおけるマイクロファイナンスの実態と展開に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K02007
研究機関東洋大学

研究代表者

岡本 郁子  東洋大学, 国際学部, 教授 (00450487)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードマイクロファイナンス / ミャンマー
研究実績の概要

H29年度は、マイクロファイナンス機関の競合の実態を把握するために、バゴー地域を対象に調査を実施した。バゴー地域は28のマイクロファイナンス機関が展開し、とりわけバゴー郡に17の機関が集中しており、ミャンマーの他地域に比して競合があると想定されるからである。今回はバゴー郡の都市部を対象に調査を実施することとし、ある一つのマイクロファイナンス機関の顧客世帯、73世帯に対して質問票を用いた聞き取りを実施した。質問項目は、家族構成、所得源、借入の実態、マイクロファイナンス機関からの融資の使途等である。
主なファインディングは以下の四点である。まず第一に、今回の調査世帯に限っては複数の機関から借り入れている世帯はなかった。これがサンプルの偏りなどの理由による結果なのか等、さらなる検討が必要である。ただ、フィールド型マイクロファイナンスの場合、返済会への出席が義務なため、複数の機関から借りる場合時間的制約から難しいことが背景にある可能性はある。一方で、窓口型のマイクロファイナンス機関もあるため、これらの機関から借り入れるケースはあり得ると考えられる。第二に、融資の使途は、小規模販売業の開始や拡大、耐久財の購入、家購入、改築、消費、他の借金返済と様々である。たばこ関連のみに従事してきた女性が、小規模販売業などの仕事を新たに始めているケースが多い。第三に、バゴーの地域特性として、女性がたばこ関係の労働に従事している比率が高く、キャッシュフローが得られるため、返済は比較的容易にできている。第四に、工場勤務など勤務形態によっては返済会への出席が困難なためそうした層は顧客としては排除される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

バゴー郡の都市部での調査を終えることができた。暫定的な結果としては、競合(あるいはそれによる世帯の多重債務の問題)は顕著ではない。とはいえ、都市部のマイクロファイナンスに世帯がどう反応しているかという点では新たな知見を得ることができた。

今後の研究の推進方策

今後は、バゴー郡の都市部におけるマイクロファイナンスの状況に関する情報をさらに収集しつつ、H29年度の調査結果の分析を進める。また、同じバゴー郡内の農村部での聞き取り調査も実施し分析を行う。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画に入っていなかったインドネシアでの国際学会での発表を実施したため、前倒しを請求したが、結果的に繰上げ額全額は使用しなかった。
残額は来年度の消耗品等の支出に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] “Fade Away or Persist? Labor-credit Interlinked Transaction in Rural Myanmar: Case of Agricultural Labourers in a Delta Village”2017

    • 著者名/発表者名
      Hnin Yu Lwin, Ikuko Okamoto and Koichi Fujita
    • 学会等名
      The 24th International conference for Agri-food Research Network
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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