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2018 年度 実施状況報告書

経済改革下のミャンマーにおけるマイクロファイナンスの実態と展開に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K02007
研究機関東洋大学

研究代表者

岡本 郁子  東洋大学, 国際学部, 教授 (00450487)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードマイクロファイナンス / ミャンマー
研究実績の概要

マイクロファイナンス機関間の競合の実態を把握するため、H30 年度も8月末から9月初めにかけて引き続きバゴー地域を対象としてマイクロファイナンス機関からの借入世帯に対する個別聞き取り調査を実施した。H29年度は都市部の居住世帯に重点を置いたことから、H30年度は都市部に居住しながらも農業を兼業している世帯に対する聞き取りを計画し、昨年度とは重ならない地域での世帯の選定を依頼した。しかし、実際に聞き取りを行ったところ、農業に従事する世帯は含まれていなかったことが判明した。最終的な調査世帯数は55世帯で、質問項目は、家族構成、所得源、借入の実態、マイクロファイナンス融資の使途と昨年度と同様である。
主なファインディングとして、第一に、マイクロファイナンス融資の使途の多様性が指摘できる。販売業の開始ないしは既存の商売の拡大、耐久消費財(バイク、冷蔵庫)の購入、家屋購入や改築、出稼ぎ資金、消費、インフォーマルの借金返済と生計手段の多様化以外の使途も含め多目的に融資が使われていた。特に、出稼ぎ資金に関しては、従来のタイ・マレーシアではなく、日本・韓国への出稼ぎ者がいる世帯がおり、融資額が大きくなる4年目以後の融資をその資金として充当していた。 第二に、複数のMFI機関から借り入れている世帯も存在したが、数は多くない。恒常的に借入れを行うというよりは緊急時のつなぎ融資、ないしは自分の就業形態と返済パターンが適合性をみるための試行という性格が強いものであった。第三に、融資額が大きくなるにつれ、デフォルトが増える傾向にあった。融資額が50万チャットに達しているグループでそういったケースが散見された。
また、10月末に来年度の予備調査としてバゴー地域のダイウーにて農村世帯に対する聞き取りの試行を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H30年度に計画していた農業を生業とする世帯の本格的な調査は実施できなかったが、都市部世帯、特に融資額が大きくなった世帯に関して、融資の使途の新たなパターンや問題が判明した。また、MFI機関の競合が存在しているとはいえないものの、複数のMFI機関からの融資を受けている場合の理由が明らかになった。

今後の研究の推進方策

来年度はバゴー地域の農村部での世帯聞き取り調査を実施する。ダイウー郡で予備的聞き取りを実施したところ、同地域の世帯の大半は農業を主な生業としていたことから、同地域を主な対象地域として調査世帯の抽出を行う。さらに、これまで収集したデータの整理・分析を進める。

次年度使用額が生じた理由

バゴー地域(市街地)での調査において、当初予定していた世帯タイプ(農業従事世帯)への調査が実施できなかったため、想定していた予算よりも低く抑えられたことによる。次年度の農村部での聞き取り調査にて使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Myanmar's rural economy at a crossroads2019

    • 著者名/発表者名
      Ikuko Okamoto
    • 学会等名
      Myanmar Update 2019
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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