ミャンマーではマイクロファイナンスが本格的に始動しはじめてからまだ日が浅く、急激な拡大の一方でその実態は十分明らかとなってきていなかった。特に世帯レベルでの影響や金融行動の変化に焦点をあてた研究はきわめて少ない。その意味で、本研究は限定された事例をベースにしたものではあるが、今後のミャンマー金融市場の研究の進展に寄与しうると考える。また、政策としてマイクロファイナンス・プログラムの量的拡大に焦点があてられてきた傾向があるが、ミャンマー経済の近年の変化に適合した質的な改善の必要性も浮き彫りにしたと考えられる。
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