研究課題/領域番号 |
16K02008
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
臼杵 陽 日本女子大学, 文学部, 教授 (40203525)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | バハーイー教 / 帰一思想 / 成瀬仁蔵 / トマス・チェイン |
研究実績の概要 |
本研究の初年度の研究計画は、バハーイー教についての基本文献・関連情報を収集、分析する作業に重点が置かれ、本研究において設定した5つの問題系(国民国家におけるマイノリティ問題、万教帰一思想、欧米での認識、日本との関係、日本人信徒の伝記的情報収集)のうち、バハーイー教に関する万教帰一思想に関する第2の問題系および欧米でのバハーイー教認識の第3の問題系の解明であった。 前者の第2の問題系である万教帰一思想に関しては、第一次世界大戦勃発まで帰一協会を拠点に万教帰一運動を展開していた日本女子大学校校長・成瀬仁蔵が1912年にロンドンを訪問した時にバハーイー教教主アブドル・バハーと会見した際の関係資料の調査を主に日本女子大学成瀬記念館で行った。とりわけ、成瀬の残した芳名帳にあるアブドル・バハーのメモと署名は今後分析する必要があろう。 後者の第三の問題系である欧米でのバハーイー教認識に関しては、晩年にバハーイー教に改宗したトマス・チェイン・オックスフォード大学教授(1841~1915年)を中心に調査を行った。同教授は聖書学を研究しているが、世界の諸宗教間の調和を唱えるバハーイー教を高く評価して、『諸民族と諸宗教の和解(The Reconciliation of Races and Religions)』という著書を1914年に著した。同書は日本女子大学成瀬記念館に所蔵されているので、成瀬自身がチェイン教授から贈与されたものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度においてはまずバハーイー教の本部のあるイスラエルおよび連合王国のオックスフォード大学を訪問する予定であったが、相手先の事情から今年度は訪問を見合わせたためである。
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今後の研究の推進方策 |
バハーイー教関係者にインタビューを行ない、同教の現在の活動状況を把握するという作業が遅れているため、今後はこの課題を中心に取り組んでいきたい。また、バハーイー研究の中心人物だったチェイン教授およびブラウン教授に関する資料を収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
訪問先の都合により2016年度の海外出張を取り止めたため、繰越金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度の出張旅費として使用の予定。
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