研究課題/領域番号 |
16K02009
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
吉村 真子 法政大学, 社会学部, 教授 (80247113)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | マレーシア / 市民社会 / ジェンダー / 分断 / 格差 / エスニシティ |
研究実績の概要 |
本研究は「マレーシアにおける市民社会とジェンダー:分断と格差に対する市民社会の役割」として、マレーシアにおける市民社会とジェンダーについて、とくにマレーシア社会の分断(セグメンテーション)について、経済・社会的な面から分析した上で、そうした分断、格差、エスニック問題におけるジェンダーの問題について、市民社会がどう関与してきたか、分析、議論することを目的としている。 平成28(2016)年度は、研究プロジェクトの初年度として、理論的な枠組みも含めて、本課題の研究目的でも言及したマレーシアの分断(セグメンテーション)と格差に関連して、とくにジェンダーに焦点を当てた視角から考察を進め、全体的な把握と枠組みの構築を行った。 とくにマレーシアの場合、1970年代以降の新経済政策(New Economic Policy)によって、マレー系の農村女性が賃金労働者として製造業に参入し、輸出志向型工業化を進める国家の経済政策と多国籍企業の参入と関連付けた議論や、経済成長にともなって女性の社会経済的な地位が改善されてきたことが示されてきたが、そうした中でエスニック分業とジェンダー分業がどのように構造的変化を遂げてきたかを考察した。また2000年代以降は労働市場におけるエスニック分業やジェンダー分業などが、構造としてどう変化してきているのか、また女性労働や格差の変化などについても、具体的な事例も含めて、大きな枠組みで分析・考察を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の初年度の計画としては、分析枠組みの構築のためにも理論的な議論について把握するとともに、調査のための準備なども進めることとしていたが、全般としておおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の理論的な分析も含めた議論の枠組みの考察を活かして、2年目以降の現地調査や文献・資料の分析を進めたい。また可能であれば、歴史的な史資料にもあたりたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度における研究の中心となる理論の議論や文献・資料の分析において、文献の購入はほかの研究費や研究機関所蔵の資料などの利用などを工夫して、支出を抑え、次年度以降の研究支出に回すように努めた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究計画における文献・資料収集や現地調査における支出に向ける予定である。
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