研究課題/領域番号 |
16K02009
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
吉村 真子 法政大学, 社会学部, 教授 (80247113)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | マレーシア / 市民社会 / ジェンダー / 分断 / NGOs / エスニシティ / 格差 |
研究実績の概要 |
本研究課題の3年目にあたる平成30(2018)年度は、初年度(平成28年度)の理論的な枠組みや文献資料の研究・調査を踏まえて、昨年度(2017年度)と同様にマレーシアでの現地調査を行うとともに、同研究テーマにおける分析と考察を進めていった。 マレーシアでの現地調査では、とくにジ ェンダーNGOs(市民団体)に関する調査を進め、ジェンダー問題に取り組む市民活動家や法曹関係者などのヒアリングや資料収集を行い、並行して、現地の研究者・専門家に対するジェンダー政策や市民社会の役割に関するヒアリングや意見交換を行った。 ジェンダー問題に取り組む市民運動に関わる活動家には、女性問題のみならず、人権、エスニシティ、宗教、労働、SOGI/LGBT+、外国人、メディアなど、さまざまな角度からのアプローチがあり、マレーシア社会におけるジェンダーの問題の多様性が見られるだけでなく、そうした面からも運動の連携やネットワーク化の重要性が指摘できる。 とくに2018年5月の総選挙の野党連合による政権交代は、マレーシアの1957年の独立後初の出来事でもあり、市民社会にとって大きな変動をもたらすことでもあった。こうした政治変化は、市民団体にとって大きなインパクトを与えることとなり、市民団体の活動の新たな空間と可能性を示すとともに、本研究においては、その影響と評価が新たな研究分析対象となりうることとなった。また現地の国際機関と市民団体との連携も視野に入れて考察を進めることが示唆された。 本年度も理論的な分析枠組みの研究も並行して進めつつ、現地調査の結果を受けて、実証研究の分析と合わせて構造的な視角をもって研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度は現地調査も含めて、計画通りに行うことができ、研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度(2016年度)の理論面での分析、研究、2年目(2017年度)および3年目(2018年度)の現地調査の成果も含めて、平成31(2019)年度は本研究課題の最終年度として全体の議論についての分析と考察を行い、まとめていく予定である。
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