本研究課題は「マレーシアにおける市民社会とジェンダー:分断と格差に対する市民社会の役割」として、マレーシアにおける市民社会とジェンダーについて、とくに東南アジアのマレーシア社会の分断(セグメンテーション)について経済・社会的な面から分析した上で、そうした分断、格差、エスニック問題におけるジェンダーの問題に対して市民社会がどう関与してきたか、分析、議論することを目的として、研究を進めてきた。 研究としては、(1)マレーシア社会の分断と格差におけるジェンダーの分析、(2)経済・社会政策におけるジェンダーの位置づけの検討、(3)そうしたジェンダー問題に対する市民社会の役割、について分析を行った。 研究計画の4年間で、(1)全体の分析枠組みの構築、(2)マレーシアでの現地調査準備と資料の収集、(3)マレーシアのジェンダーNGOs/CSOs 関係者に対するヒアリング調査と連携、(4)マレーシアの研究者(ジェンダー研究、政策・移住労働研究など)との議論と連携、(5)マレーシアの官庁でのヒアリングおよび資料収集、(6)マレーシアの大学など、海外での国際セミナーでの論文報告、などを行った。 令和元年度(2019年度)は最終年度でもあり、現地における女性団体やジェンダーNGOs/CSOs、関係官庁、研究者などとの議論から政策提言も含めて最終的な総括も行った。 (本研究課題に関連して、2020年3月国連本部の第64回女性の地位委員会(CWS64)でポスト北京会議のNGOs会議に参加、8月には第12回国際マレーシア研究会議(MSC12)で本研究課題の研究成果報告などを予定していたが、新型コロナウイルス感染問題で会議そのものが中止になったため、これに関しては次の研究課題とつなげる形で実現したい。)
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