研究実績の概要 |
本年度の研究は、平成28年度および29年度の研究を踏まえて、(1)公共部門の大きさと腐敗・汚職行為の関係が分析可能な理論モデルの完成、(2)社会の透明度が何に依存しているのかに関する計量的な検証、を行った。 (1)本研究のこれまでの研究・調査で明らかとなったスウェーデン社会の透明性の特質、スウェーデン人の道徳観・価値観等を考慮した公共部門の大きさと腐敗・汚職行為の関係が分析可能な理論モデルを構築した。 (2)公開されているデータを用いて、北欧4ヶ国の社会の高い透明性がどのような制度や要因によって実現しているのかを計量的に検証した。具体的には、社会の透明性の指標であるトランスペアレンシー・インターナショナルが1995年以降、発表している腐敗認識指数(CPI)と、GDP、人口、レントの大きさ、所得水準、情報公開の程度など様々な指標との間に統計的にどのような関係にあるのかを検証した。 理論モデル及び計量分析の論文は、国内外の学会で数回論文報告を行った。それぞれの研究成果は下記の論文で発表した。①「The Size of Government, Bribery and Labour Market」「Global Business & Economics Anthology, Volume I, March 2018」 P34 - P.44。② 「久塚純一先生古稀祝賀論文集(仮題)」(成文堂)のブタン執筆者として論文 「社会の透明性と北欧社会」を執筆(2019年5月発刊予定)。
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