サービス産業における雇用の非典型化とジェンダー化の実相を明らかにし、製造業を中心に蓄積されてきた雇用関係、雇用システムの理論枠組みの検討を行った。特に顧客との人格的接触を通じてしかサービスを顧客に引き渡すことが出来ないサービス労働に着目した。サービス労働においては、労働者のジェンダーを戦略的にマネジメントに取り入れ、ビジネスを展開し、大いにジェンダーダイナミックスを利用している。この結果、労働者・顧客においてもジェンダーによる認識がよりはっきり現れ、ジェンダー秩序が維持・強化される。サービス労働の特性から非典型化も促されているが、その雇用関係はアクター間の働きかけによって変化しうる。
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