研究課題/領域番号 |
16K02037
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三戸 治子 (酒向治子) 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (70361821)
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研究分担者 |
猪崎 弥生 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (00176124)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 舞踊教育 / ダンス / ジェンダー / 教科教育 / スポーツ・イメージ |
研究実績の概要 |
体育領域の中でダンス指導に対する男性教員の消極的な姿勢は長年指摘されており,その主な理由の一つとしてダンスを「女性的なもの」と見なすジェンダー・バイアスが挙げられてきた。本研究は研究者がこれまで行ってきたダンスのジェンダー・イメージの初期的理論研究を踏まえ,質・量共拡充した調査を行い,半世紀以上にわたり続いてきたダンスに対するジェンダー・バイアスを克服する新しい理論の構築を目指すものである。この目的達成のために,本年度は主に以下の三つの質問紙調査を実施し,その後①のデータの解析・論文化の作業に取り組んだ. ①.小学校教員を対象とした質問紙調査:O県の小学校教員を対象として(20代から30代の計55名;男性18名,女性37名),ダンスのジェンダー・イメージ,ダンスに対する態度(抵抗感と羞恥心)について質問紙調査を実施した. ②.中学校教員を対象とした質問紙調査:O県O市の中学校教員を対象として(20代から60代の計60名;男性41名,女性19名),ダンスのジェンダー・イメージ,ダンスに対する態度(抵抗感と羞恥心)について質問紙調査を実施した. ③.教員養成大学の学生を対象とした質問紙調査:O大学の教育学部に所属する大学生を対象として,スポーツに関するジェンダー・イメージ,ダンスのジェンダー・イメージ,ダンスに対する態度(抵抗感と羞恥心)について質問紙調査を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は現場の小学校・中学校教員の意識調査を行なうことを予定しており,それは予定通り実施することができた.小学校教員の意識調査を行なった上で,ダンスへの否定的な態度(抵抗感や羞恥心)が何によってもたらされているのか,教員のダンス観を生成するメカニズムを徹底的に明らかにする必要が見出され,教員になる前段階として重要な学習期に位置づけられる,「教員養成機関におけるダンス学習」,およびその段階におけるダンスに対する意識調査が必要であるという課題を導きだした. 上記の流れを受け,本年度の後半には,O大学(教員養成機関)における大学生を対象に,意識調査を行なうことを急遽決め,実施することができた. 課題を導き出し,さらにその課題解明を進めるべく次の調査をできたことを考えると,平成28年度は研究を円滑に進めることができたと総括することができると考える.
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今後の研究の推進方策 |
以下の二つに取り組む予定である. 1.2016年に実施した質問紙調査のデータのうち,未だ解析していないもの(上記の②③に該当)を中心に取り組み,論文化する予定である。この論文化の作業の過程で,できるだけ多くの舞踊教育の専門家およびジェンダー研究の専門家の意見交換を行い,考察の深化を目指す予定である。 2.国内における研究内容の情報発信: ①研究の取り組みを国内で発信するために,学会発表(スポーツ・ジェンダー学会を予定)を予定している. ②HPを作成し,研究内容の公表を行なう.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究内容についての討論を行なうために,6月に研究会を予定している.この準備のために4月~5月に間に研究費を用いる必要があったため.
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次年度使用額の使用計画 |
6月に岡山大学にて研究会を予定している.東京から舞踊驚異の専門家2名を招聘する.
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