西アフリカのマリでは2000年代以降、綿花価格の大幅下落など主要産品をとりまく状況、貧困の拡大、都市部への人口集中などから、農村女性が現金収入手段を多様化させる必要に迫られた。家庭的な需要のために各個人が行ってきたシアバターが、2000年代以降「改良バター」生産の導入とともに組織化され、協同組合を通じてマリ各地の女性に普及した。この生産方法によりシアバターの質は改善され市場価格も上昇した。その結果、女性の現金収入が増加し、収入減少をみていた男性とのジェンダー関係においても変化があった。また協同組合メンバーから村落議会が選出されるなど、地域社会における女性の政治的地位の向上にもつながっている。
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